これぞ“GTI”のあるべき姿
間もなく日本に導入される6代目「フォルクスワーゲン・ポロ」。そのハイパフォーマンスバージョンである「GTI」に、フランスのニースで試乗した。ライバルに肩を並べる高い動力性能と、日常性を犠牲にしない洗練されたドライブフィールをリポートする。
稀有な存在だった従来モデル
もうすぐ日本でも正式にデビューする新型ポロは、先の試乗記でも記した通り、今日的なBセグメントのど真ん中のサイズ、つまり日本的にいうところの3ナンバーサイズへと成長する。これによって後席居住性や積載能力などは激変。そして走りのクオリティーも強烈に洗練されたものとなった。
が、それを知るほどにあらためて思うのは、間もなく旧型となるポロのダイナミクスの素晴らしさだ。低速域ではちょっと粗いところもあるけれど、速度が乗ると共に伝わってくるクルマの動きの安定ぶりたるや、「トヨタ・ヴィッツ」や「ホンダ・フィット」に近い車寸とはにわかには信じがたいほどだった。多少狭かろうがにぎやかだろうが、5ナンバー寸にして破格の安心感という魅力は何にも代えがたい。そういう気持ちでポロを選んできた向きもいるだろう。
そこにスポーティネスへの期待値が加われば、小さいことはさらに意味を持つことになる。すなわち先代ポロGTIは5ナンバーサイズにして192psのハイパワーエンジンを積んだ、市中を見回せば意外や稀有(けう)なキャラクターを持つホットハッチだった。
新型のポロGTIはまず基準車の拡大化に準じて車格はBセグメントのど真ん中に入っている。そして搭載されるエンジンは2リッターに拡大……と、裏返せば「ルノー・クリオ(日本名:ルーテシア)R.S.」辺りとガチで比較をされても言い訳はできないパッケージになったわけだ。その中でこのクルマが供してくれる個性は、長きにわたるGTIの歴史に照らしてもまったくブレのないものだった。...