ボディー剛性は家族のために
「日産セレナ」に、見た目と走りをスポーティーに仕立てた「セレナNISMO」が登場。日産のモータースポーツ部門の名を冠したミニバンは、ドライバーのスポーツドライビング欲求を満たすのみにあらず! 同乗する家族も幸せにする、トータル性能の高い一台に仕上がっていた。
ただのミニバンではないぞ!
「すごくいいクルマをご用意しましたよ。ミニバンなのに、シートがRECAROなんです!」 相変わらずwebCG編集部、F青年のセールストークは流れるようだ。確かに興味深い。ミニバンも多様化しているのだから、走り仕様のモデルがあってもいい。
夜になってF青年がセレナNISMOを届けにきてくれた。暗いのでよく見えないが、どこか違和感がある。 「これ、RECAROじゃないよね?」 「あー、そうみたいです〜。ま、お気になさらず」 「……」
結局、試乗車にはRECAROシートのオプションが未装着だった。だが、そのくらいのことでガッカリしてはいけない。日産のモータースポーツ活動を担うNISMOが仕込んだクルマである。専用デザインが用いられているのはもちろん、パワーユニットを制御するコンピューターにもチューニングが加えられているという。ただのファミリーカーではなさそうだ。セレナには何度も乗っているが、期待してしまうではないか。
その日は駐車場まで乗っただけで、翌日の早朝にあらためて対面した。離れたところから見ても、ギラギラしている。ドスが利いていて、近寄りがたいオーラが漂う。フロントグリルやバンパーは専用デザインで、空力性能を高める形状が採用されている。バンパー下にNISMOのアイコンカラーである赤のラインが走り、サイドに回り込んでリアまで続く。ドアミラーにも赤いラインが施されている。ルーフ後端に取り付けられた専用スポイラーは、かなり目立つ形状だ。17インチアルミホイールも専用デザインで、全体からただのミニバンではないぞという主張が伝わってくる。...