エリートのためのSUV
アウディのミドルサイズSUV「Q5」がフルモデルチェンジ。新世代プラットフォーム「MLB evo」を採用した新型が、いよいよ日本にも導入された。走りも内外装も大幅にブラッシュアップされた、2代目の出来栄えを報告する。
失敗は許されない
2008年に、「Q7」の小型版として登場したアウディQ5は、インゴルシュタットの思惑通りの大ヒットとなった。「A4」のMLBプラットフォームを使った中型SUVとして、北米のみならず、ヨーロッパ、中国でも人気を博し、累計販売台数は160万台を超えるに至った。モデル末期のはずの2016年でさえ、世界市場で28万台弱と、「A3」、A4に次ぐデリバリー台数を記録したという。
そんな大ヒット作の初のモデルチェンジである。手堅くまとめてくるのは当然というべきだろう。しかも、新型Q5はメキシコに新たに建てられた年産15万台のキャパをもつ最新鋭工場でつくられる。トランプ大統領が知ったら怒っちゃうかもしれないけれど、インゴルシュタットはネッカーズルムの工場から移るのだから、ドイツの右派の方々のほうが怒り心頭かもしれない。というようなことはともかく、絶対に失敗は許されない規模の投資をしているわけである、アウディとしては。
歴史的巨眼でもって見れば、いま現在の自動車というのは移行期にある。化石燃料を燃やす内燃機関から完全に卒業するのがいつになるかは別にして、少なくとも電気が相応の地位を占め、運転の喜びはクローズドのサーキットでの楽しみとなる。未来がそうなることは間違いない。
となると2代目Q5は取るに足らぬ、革新とはほど遠い、過渡的なプロダクトであるにすぎぬ。基本のコンセプトは先代と同じで、中身をアップデートしただけなのだから。
MLB evoと呼ばれる新しいプラットフォームは、現行A4やQ7と同様の縦置きエンジン用で、ボディーは若干大きくなった。とはいえ、50mm長く、5mm高くなっただけで、全幅は変わっていない。ホイールベースは15mmだけ延びた。それでも、インテリアの拡大には意が払われていて、特にショルダールームとエルボールームはクラストップの値を誇るという。...