走りに全振り
高速コーナーでの旋回性能や加速性能、冷却性能などの向上がうたわれる改良型「GRカローラ」。スーパー耐久シリーズをはじめとするモータースポーツの“現場”で得られた知見を細部にまで生かし、走りを磨き上げたというその進化をチェックした。
モータースポーツの“現場”で鍛える
GRカローラは、2022年12月に通常の「RZ」で500台限定(および同“モリゾウエディション”で70台)の抽選販売でスタートした。2023年8月には第2弾として、前後サスペンションメンバーやステアリングギアボックスなどの締結ビス頭部を強化・拡大、フロントバンパーダクトの形状改善といった(最近のトヨタならではのシブい)一部改良を施して、今度は550台の抽選販売となった。
で、この2025年2月に受注開始となった最新のGRカローラは、2度目の改良を受けたモデルとなるが、今回は大がかりである。まず、変速機に「GR-DAT」を呼ばれる8段ATが追加されたことから想像できるとおり、今回の改良は、2024年に大幅改良された「GRヤリス」に準じるパワートレインに乗せ換えられたのが最大のハイライトといっていい。
それに加えて、シャシーや外観にも手が入った。シャシーでは、フロントのロアボールジョイントやリアダンパー、ステアリングコラムの締結ビスが強化型になったほか、リアトレーリングアームのジオメトリー変更、前後にリバウンドスプリング追加、リアのコイルとスタビライザーのバネレート変更などが実施された。外観ではフロントバンパーが冷却と空力特性を改善した新デザインになった。
また、特筆すべきは、今回からついに通常販売に移行したことだ。まあ、現時点ではすでに受注停止状態らしいが、通常販売なら、納車の進み具合で状況も変わると思われる。
「モータースポーツの“現場”で鍛える」というGRのクルマづくりは、GRカローラも例外ではなく、今回の改良にも、水素エンジンによるスーパー耐久などでの知見と経験が生かされるとか。ただ、走行メカニズムには惜しげもなく(?)手が加えられているのに、デザイン面での目につく変更は前記のフロントバンパーのみ。そのバンパー変更にしても、あくまで冷却性や空力などの機能的な理由であるのがいかにもであり、“現場”感がただよう。...