さらりと乗れる12気筒
「ベントレー・コンチネンタルGT」に待望のハイパフォーマンスモデル「スピード」が登場。フロントに積まれたW12エンジンのパワーもさることながら、真に注目すべきはそのW12の質量をものともしないシャシーだ。紳士らしい自制心とともに乗りこなしたい。
主力がW12からV8へ
コンチネンタルGTスピードは、現行のコンチネンタルGTとしては2022年モデルで初めて追加された新しいトップモデルである。その名から想像できるように、既存モデルより高性能で“速い”のがキモである。その心臓部はご想像のとおり、ベントレー最強の6リッターW12ツインターボを、さらに高性能化したものだ。
ただ、コンチネンタルGT全体では、4リッターV8ツインターボへの置き換えが急速に進んでいる。本来はW12こそが標準エンジンだったはずなのに、2019年モデルでV8が登場すると、W12搭載車はみるみる減少。今回の“GTスピード”の登場に合わせて、ほかのW12はコンチネンタルGTのラインナップから落とされた。というわけで、GTの頂点となるGTスピードは同時に“コンチネンタルGT唯一のW12モデル”にもなってしまった。
GTスピードではW12ツインターボの最高出力が従来の635PSから659PSに引き上げられている。排ガスと燃費規制でガチガチに縛られた現代にあって、もともと600PS級のモンスターエンジンを性能アップさせる仕事は簡単ではなかったと察する。
とはいえ、絶対値にして24PS、比率にして4%ほどの出力向上であり、900N・mという最大トルクは変わらない。正直なところ、今回のように一般公道で、しかも筆者を含む一般ドライバーが即座に気づくほどの性能アップとはいいづらい。まして、これ以外のGTはすべてV8になってしまったので、635PSだ659PSだというより、W12であること自体がGTスピード最大の意義である。
それはベントレーも承知のうえで、今回のGTスピードにまつわる公式資料で、より声高にアピールされているのは「もっとも進化したシャシー」である。...