堂々たる正攻法
ルノーの新機軸「E-TECHハイブリッド」は複雑な機構を持つフルハイブリッドシステムだが、ごく自然な運転感覚のままで優れた燃費を得られる画期的なパワートレインだ。これによって輸入車燃費ナンバーワンに上り詰めた「ルーテシア」の仕上がりをリポートする。
エンジンとモーターにそれぞれ変速機
E-TECHハイブリッドはルノーが独自開発した2モーターのフルハイブリッドシステムで、1.6リッター直4エンジンと大小2つのモーター、ドグクラッチトランスミッション、それに1.2kWhの駆動用バッテリーで構成される。ハイブリッド車としては大容量のバッテリーに蓄えられた電力を使い、低速域の駆動(〜40km/h)はメインモーターが担う。そのためEV同様の静かでスムーズなスタートが漏れなく毎回得られる。この時点で内燃機関(ICE)車のルーテシアとは完全に別物。
中速域(40〜80km/h)となると、メインモーターに加えてエンジンも駆動を担う。と同時にエンジンの動力の一部がサブモーターに振り分けられ、必要に応じて発電も行う。エンジンには4段のドグクラッチトランスミッションが組み込まれており、この際、負荷に応じて変速する。メインモーターにも2段の変速機がある。このためルーテシアE-TECHハイブリッドには、モーターのみで走行する場合に2段、エンジンのみで走行する場合に4段、モーターとエンジンが協調して走行する場合に2×4の8段、合計14通りのギア比が存在することになる。が、そのうち2通りが事実上同じ(=近い)ギア比のため、使っているのは12段になる。
エンジン側の変速機にはシンクロメッシュやクラッチが付いておらず、ギアがかみ合うドグクラッチ式。ショックや機械音を覚悟していたのだが、変速の瞬間は意識して注意深くチェックしてもほとんど分からなかった。マニュアル変速はできず、完全にシステム任せとなる。やれと言われても段数が多すぎてシステム以上にはうまくやれないはずだ。...