創意に満ちたSUV
日本市場への展開も予定されている、キャデラック初の量産型BEV「リリック」。ゼネラルモーターズ独自の電動プラットフォームや工夫をこらした内外装でも話題だが、その走りやいかに? 後輪駆動モデルにアメリカ国内で試乗した。
未来を背負う骨格
販売する乗用車のすべてを、2035年までにゼロエミッション化する。現政権が発足後に掲げたビジョンと歩調を合わせるようにGMが示した目標だ。ここで示す乗用車とは、同社の米国内での最量販車種である「シルバラード」のようなピックアップや、「タホ」のようなSUVも含まれているというから、その本気度は相当なものだろう。
主要メーカーおよびグループのなかでも最も野心的といってもいいであろうこの目標をどうやって実現するのか。その鍵となるのが新しいバッテリーコンポーネント「アルティウム」を軸としたアーキテクチャーの構築だ。
さすがに1990年代の伝説である「EV1」のキャリアが実践的に役立っているとは思わないが、2000年代にシボレー&オペルブランドで投入したレンジエクステンダー「ボルト」「アンペラ」で培われたバッテリーテクノロジーは次のボルトと「ボルトEV」にも引き継がれ、着々と改革と熟成の道を歩んできた。
少なくとも旧ビッグ3のなかで、ノウハウの積み重ねにおいてはGMは他とは一線を画するところにいるだろう。あらゆるソリューションをまずは外から見えないところで手の内化しながらその素養を見極めて、ビジネス投入へのシビアな取捨選択をおこなうという点では、トヨタによく似たところがある。というよりも、幅広い技術領域への先行投資や実装という点については、戦後、トヨタがGMに学んできたポイントといえるのかもしれない。
そのGMが今後のBEV展開の骨格とする「アルティウム」は、ラミネート型セルを採用したパウチ型のバッテリーを基に、そのパッケージを床面に平置き、もしくは重ね置きすることでさまざまな車型への適性を高めている。このバッテリーレイアウトの多様化を軸としながら、前後軸のコンパートメントを柔軟に変更することでコンパクトカーからトラックまでさまざまな車型に対応し、それによって開発の時間や工数の短縮にも寄与する……というのが、アルティウムアーキテクチャーの考え方だ。...