“かわいい”の正常進化
累計で38万台を売り上げたというダイハツの軽乗用車「ムーヴ キャンバス」がフルモデルチェンジ。従来型と同じ“かわいい路線”の「ストライプス」に、シックな“オトナ路線”の「セオリー」という新たな個性を加えた2代目は、いかなる進化を遂げたのか。
2つの個性を鮮明に打ち出す
2016年9月に「新感覚のスタイルワゴン」としてデビューして以来、ダイハツ・ムーヴ キャンバスの販売台数は38万台を超えたという。とにかく室内を広くしようという機能性第一のハイトワゴンと、とにかく無駄を排した質素で廉価な実用軽自動車との隙間に、かわいいムーヴ キャンバスがスマイルを振りまきながらするりと忍び込み、新たな市場をつくったのだ。人はパンのみに生きるにあらず、ということか。
ダイハツの開発陣によれば、街で見かけてひとめぼれして購入に至るケースが多かったとのことで、好評だったデザインは従来型から大きく変わっていない。デザインというよりこのクルマの場合は、キャラクターと呼ぶほうがふさわしいかもしれない。ただし、「360度のうち5度しか変わっていないように見えるかもしれませんが、真逆の方向の試作車もつくって検討しました」とのこと。
だからこのデザインの変化の針は、1周回って365度の位置にあるということらしい。1周回る間に、「MINI」や「フィアット500」をかなり研究したというエピソードが興味深かった。
余談ですが、街で見かけて気になったけれどムーヴ キャンバスという車名がわからず、「軽 かわいい」で検索する方が多かったそうで、車名をアピールすべく、新調された「CANBUS」というロゴが車体の前後で存在感を放っている。
新型ムーヴ キャンバスでまず目を引くのが、2トーンのストライプスと、モノトーンのセオリーという2つのスタイルがあること。ストライプスは従来型を気に入った方と同じ層にアピールする一方で、セオリーはもう少しシックなセンを狙っている。というのも、「デザインやパッケージングは気に入ったけれど、自分で乗るにはちょっとかわいらしすぎる」という声が多かったからだという。
ストライプスとセオリーは、外観だけでなくインテリアも雰囲気が異なり、前者はポップで明るい雰囲気、後者は落ち着いた大人のムードだ。
もうひとつ、ターボ仕様を新たに設定したことも新型ムーヴ キャンバスのトピック。これも、従来型が想定より幅広い層からウケたことが理由だという。お母さんと娘さんが共用することを想定していたけれど、父と娘とか、母と息子とか、いろいろな組み合わせがあり、「ターボがあれば買うのに」という声が届いたという。...