ひと味違うマツダ
続々と新型SUVをリリースするマツダだが、アメリカやカナダにはあって、日本では買えないモデルも存在する。そんなクロスオーバーSUV「CX-50」に乗ってみたら……? アメリカ・カリフォルニアからのリポート。
ワイドでワイルド
CX-50というクルマをご存じの人は、おそらくよほどのカーマニアか熱心なマツダ好きに違いない。なぜなら、日本では売っていない北米専用車だからだ。
海外渡航もしやすくなった今、「CX-5」オーナーの筆者としては名前の似ている海外の兄弟に実際に触れて乗って、その正体をつかんでおかないといけない。そんな使命感を胸に(本当は乗ってみたかっただけ)、ロサンゼルスへ試乗に出かけた。
まずCX-50の概要を説明すると、ポジションはCX-5の少し上。「マツダ3」や「CX-30」と同じ“スモールアーキテクチャー”でつくられ、生産はマツダとトヨタの協業事業としてアラバマ州に新設されたばかりの工場で行われる。ちなみにトヨタは「カローラ クロス」を扱い、生産能力はそれぞれ15万台、つまりトヨタとマツダの合計で30万台だそうだ。
というわけで初めてお目にかかったCX-50だが、率直に言ってかなりカッコいい。自動車ライターでいながら何のひねりも深みもない表現で恐縮だが、それが素直な第一印象。日本における同社の最新モデルである「CX-60」を初めて見たときの「う〜ん、そうだよね、美しいよね……?」みたいな微妙な気持ちとはずいぶん違うのは、きっと気のせい……だと思う。
デザインテイストは今どきのSUVのトレンドとなっているワイルド感がわかりやすいほどちりばめられていて、美しい躍動感を求める多くのマツダ車とは違うベクトルだ。そしてなによりいいのがプロポーション。全幅は1920mm(CX-5は1845mm)と国内向けのこのクラスではちょっとありえない広さ(そのあたりが北米向けらしいところ)で全高もCX-5より6cmほど低く、おかげでワイド感がハンパない。そんなプロポーションが、誰でも感じられるスタイリングの安定感をつくり出している。フェンダーの張り出しなんて、日本向けのマツダ車もこうあってほしいと思うくらいマッチョでセクシーだ。
アメリカでは特大サイズのSUVが人気と思われがちだが、実は最も売れているのはこのクラス。そして現地のトップセラーは「トヨタRAV4」(全幅1855〜1865mm)なのだが、正直言ってCX-50の平べったい感じ(ワイド感)は、RAV4にも「ホンダCR-V」(全幅1855mm)にもない。北米専用とし思い切ったワイド化を決断したCX-50は、このプロポーションで明らかにライバルをリード。サイドウィンドウに対してタイヤが外側に張り出している感じも相当なものだ。
それにしてもカッコいい。前出のようにスモールアーキテクチャーに基づいているのだが、ここまで車体を大きくつくれる余力があったのだと驚いた。...