かつてない味
レクサス初の電気自動車専用モデルとして開発の進む「RZ」。同モデルの先進性を象徴するステア・バイ・ワイヤ・システムとはどのようなものか? 搭載車両に試乗し、その仕上がりを確かめた。
開発期間は10年以上
レクサスにとっては初めての専用車台によるBEVとして市場投入されるRZ。2035年には販売車両の100%BEV化を目標に掲げたブランドの姿勢を示す先駆けとして、2022年内には日本でも上市される予定だ。
去る2022年4月、そのプロトタイプの試乗の機会に恵まれた際には、内燃機とは次元の異なるモータードライブの特性を至って自然にしつけて、上質の側に振り向けていたことに好感を抱いた。一方でこの丁寧さが、ほかでもないレクサスのBEVを選ぶという誘引要素としてきちんと伝わるだろうかという点には、疑問が拭えなかったのも事実だ。
それを補えるものとなるだろうと踏んでいたのがSBW搭載グレードの存在。しかし、漏れ伝わる情報ではその開発は難航しているという。今までシャフトとギアを介して物理的に回していた、その支持物がないというだけでもかなりの難産であることは素人アタマにも想像できる。
そして今回、ようやくそのSBWモデルに触れる機会を得た。現在も市販に向けてさまざまなテストを重ねている最中ながら、ひととおりまとまってきたということで、舵をとらせていただくことになった格好だ。
「SBWのテクノロジーはコーポレートとして、かれこれ10年以上前から先行開発していました。でも、それを世に送る出口がなかなか見当たらない。そこにBEVの話が出てきたことで、場が整ったという側面はあります」
RZの開発を取りまとめた渡辺 剛チーフエンジニアによれば、RZへの実装に向けたSBWの開発が始まったのは2018年の頭くらいだったという。
「開発はとにかく大変でしたね。ようやくめどが立ってきたというところです。先行開発でハード側は技術的な土台もありましたが、まずソフト側のパラメーターがあまりに膨大、かつ路面側からのフィードバックを信号化するなど、車両側の処理速度や能力に性能が依存するところもあるんです。この辺のバランスをみながら開発していくなかで、当初はSBWであるがゆえのクルマの動きの違和感を許容しようという空気がわれわれの側にはありました。それこそがSBWの個性だろうということで」...