未来はきっとバラ色だ
日伊のコンパクトな電気自動車「ホンダe」と「フィアット500e」。ともにラブリーなデザインが魅力の都市型コミューターだが、両車のドライブフィールは全く異なるものだった。“選べる幸せ”を体現した2台の試乗を通し、ジドーシャの未来に思いをはせた。
乗ってみると全然違う
みなさん、お電気ですか。失礼しま〜す(前編参照)。
EV化は画一化につながる。そう私は思っていた。ところが、ホンダeとフィアット500e、乗り比べてみたら、そうではなかった。
初試乗の500eは、まずもって着座位置が意外と高いことに驚いた。全高1530mmのおむすび形ボディーはダテではない。500eはホンダeより200mm近くも全長が短いのに、20mm車高が高い。「トヨタ・カローラ」(セダン)の1435mmを基準とするなら、それより100mm弱も背高で、見晴らしがステキにいい。それを、そう背高に見せていない。そこにおむすび型ボディーの秘密がある。と私はニラんでいる。
インテリアはイタリアンモダンとクラシックが同居している。液晶スクリーンがダッシュボードの中央にあり、イタリアン・モダンのモダンがよりモダンに、21世紀的に更新されてもいる。
室内が広々としているわけではない。前言を翻すようだけれど、全高は高いのに、筆者の場合、頭髪が天井の梁(はり)に触る。なんたることか。おそらく座高の低いイタリア人向きだから、だろう。これもイタリア車である。そういえば、1980〜1990年代の「アルファ・ロメオ164」の天井も低かった。最初は首が傾く。そしてやがて慣れる。イタリア車というのは、そういうもんやから。だんだんミルクボーイ風になってきた……。
頭髪が天井に触ってしまう理由を、もうちょっと聞かせてくれる? そのひとつに、シートのアンコがたっぷりしていることがある。このシート、環境に配慮したリサイクルレザーを表皮に用いており、背中とお尻の当たる部分にFIATのモノグラムがスティッチで描かれている。これには滑り止めの機能もあると思われる。高級車もかくやの職人仕事ではないか。ヴィヴァ、イタリア! である。...