なめたらいかんぜよ!
ハーレーダビッドソンから水冷エンジンを搭載した新世代モデルの第3弾「ナイトスター」が登場。ハーレーの未来を担う正統的なクルーザーモデルは、長年にわたりブランドを支え続けた「スポーツスター」の後継にふさわしい、高い実力の持ち主だった。
軽やかに動く車体に新開発のエンジンを搭載
ハーレーダビッドソンのニューモデル、ナイトスターにまたがり、車体を引き起こす。胸の内では「ヨッコラショ」とつぶやく準備をしていたのだが、思わず「軽ッ」と声が出た。大げさでもなんでもなく、その様はヒョイという擬音が最もふさわしい。走りだしてもコーナーを曲がってもUターンをしても撮影のために押し引きしても、その手応えは終始変わらない。そして今回の試乗中、最も印象に残ったこのモデルの美点でもある。
ナイトスターは、新開発の水冷エンジン「Revolution Max(レボリューションマックス)」を採用する3番目のモデルとして登場した。1番目が2021年7月に導入された「パン アメリカ1250/パン アメリカ1250スペシャル」、2番目が同11月からの「スポーツスターS」で、着々と新世代ユニットへの切り替わりが進んでいる。
先んじて導入された2機種のエンジンは、それぞれ「Revolution Max 1250」(パン アメリカ1250)、「Revolution Max 1250T」(スポーツスターS)と呼ばれている。その形式はいずれもバンク角が60°の水冷4ストロークV型2気筒DOHCで、1252ccの排気量は105mm×72.3mmのボアストロークからなる。ハーレーダビッドソンがこれまであまり公にする慣習がなかった最高出力を見ると、前者は150HP/8750rpm、後者は121HP/7500rpmを発生するハイパフォーマンスユニットである。
対するナイトスターのそれは、「Revolution Max 975T」という名称を持つ。形式自体は同じながら、数字が示すとおり、ボアストロークの縮小(97mm×66mm)によって排気量を975ccまでダウン。それに伴い、最高出力は89HP/7500rpmとなる。
こうして比較すると、ナイトスターのエンジンは廉価版に思えるかもしれない。1252cc版では吸気側と排気側の両方に採用されていた可変バルブが、975cc版では吸気側のみになっていることも、そういう印象を助長する。
ただし、実際のフィーリングにはなんのマイナスもない。むしろ、低回転域のトルク感とフレキシビリティーは1252cc版を明らかに凌駕(りょうが)。6速60km/hの走行も余裕でこなすほど、トルクバンドは広い。...