ちょうどいい塩梅
戦前からの歴史を誇る、モーガンのブリティッシュロードスター。その新世代の基幹を担うのが、2リッターターボエンジンを搭載する「プラスフォー」だ。職人の手作業によって製作されるスポーツカーが体現する、モダンとクラシックが融合した走りを報告する。
100年を超える継承と進化
ロンドンから北西に約200km、バーミンガムからは南西に約30kmのところにあるウスターシャー州マルヴァーン。モーガンはこの創業の地で、約110年にわたってクルマをつくり続けている。
その源流は、2000年代に復刻され、このほど新型が「スーパー3」として発表された「スリーホイラー」だ。そのオリジナルモデルをベースに四輪化したモデル「4/4」が登場したのは1936年。その高性能バージョンとして、ワイドボディーの「プラス4」が設定されたのが1950年だ。いずれも、並ぶクルマが見当たらないほどの時を刻んできている。歴史こそがモーガンの最大の資産と言っても過言ではないだろう。
そのシャシーが全面変更を受けたのは2019年のこと。ジュネーブショーで発表された「プラスシックス」は、従来のスチールラダーに代わり、リベット&ボンディングで構成されたロータスのようなアルミシャシーを携えて登場した。「CXジェネレーション」と呼ばれるそのアーキテクチャーでは、サスペンション形式はスライディングピラー&リーフリジッドから4輪ダブルウイッシュボーンへ、搭載されるエンジンは「エアロ8」のV8以来となるBMWから調達した「B58」系3リッター直6ターボへと、文字どおり劇的ともいえる進化を遂げてクルマ好きを驚かせた。モーガンと聞けばまず想像されるだろうクラシックな姿と、まさにエアロ8をほうふつとさせる激速ぶり、そして直6の澄んだサウンドが共存していることが、なんとも不思議だったのを思い出す。
プラスフォーはいわばその4気筒版で、エンジンにはBMWの「B48」系2リッター直4ターボを搭載し、最高出力258PSを発生する。ちなみにこのパフォーマンスは、同系のエンジンを積む「BMW 3シリーズ」になぞらえれば「330i」に、「トヨタGRスープラ」になぞらえれば中間グレードの「SZ-R」に相当する。プラスシックスよりひとまわりナローな車体には、あり余るほどのパワーといえるだろう。...