大統領に伝えたいこと
DSの新たな旗艦「DS 9」がデビューした。全長5m近い4ドアサルーンなわけだが、何しろ「パリのアバンギャルド」をブランドアイデンティティーに掲げるだけあって、いろいろな点が既存の価値観とは異なる考えのもとに出来ている。1.6リッターガソリン車の仕上がりを報告する。
公用車に最適なフォーマルサルーン
「フランスでは、マクロン大統領が後席に乗るそうです」とwebCG編集部のFさん。あまり感銘を受けた風でないライターの顔を見て、「本当ですよ」と念を押す。
DSブランドのフラッグシップ、DS 9が登場したのは2020年。その後のコロナ禍もあって、今年2022年の春になって、ようやく日本での販売が開始された。「DS 7クロスバック」「DS 3クロスバック」に続く「DSブランド専用モデル第3弾!」という触れ込みだが、学術的には(!?)チャイナマーケットで販売される「シトロエンC6」や「プジョー508」のストレッチ版「508L」の親戚筋にあたる。
新しい旗艦は、これまでDSブランドのトップを務めてきたDS 7クロスバックより165mmも長い2940mmのホイールベースに、全長4940mm、全幅1855mm、全高1460mmのボディーを載せる。「メルセデス・ベンツEクラス」に類似した寸法である。
公用車に最適なフォーマルなサルーンという位置づけだが、優雅なルーフラインが特徴。長くなだらかに落ちるCピラーから、“ちょっと古い”フランス車好きなら「もしや5ドア?」と期待するところだが、実際は、ハッチゲートではなく、小ぶりなトランクリッドを持つ。
むしろフランス車らしいのは、環境性能重視の時流もあるが、この立派な体をターボの過給を得て、1.6リッターという小排気量で動かすことだろう。4気筒のツインカムターボは、225PS/5500rpmの最高出力と300N・m/1900rpmの最大トルクを発生。組み合わされるトランスミッションは8段ATだ。
日本では、純然たるガソリンモデルに加え、電気モーターを組み込んでシステム最高出力250PSをうたう、プラグインハイブリッド車も用意される。価格は、ガソリン車が630万円(リヴォリ)と699万9000円(オペラ)。PHEVが718万円(リヴォリE-TENSE/受注生産)と787万9000円(オペラE-TENSE)である。...