間違いのない選択
「メルセデス・ベンツCクラス」に、悪路走破性を高めた「オールテレイン」が初めて設定された。輸入車の“定番”ともいえるモデルがクロスオーバースタイルと融合して生まれた一台は、どんな人にオススメか? ステアリングホイールを握りながら考えた。
狙いはステーションワゴンの延命?
ステーションワゴンの地上高を高めて四駆を与え、悪路走破性を確保するというクルマづくりの手法は、1980年代のアメリカで生まれた。時のAMC=アメリカンモーターズが発売した「イーグル」がその始祖といえるだろう。
AMCはその後、ラダーフレームからモノコックのユニボディーへと斬新な進化を遂げたXJ型「ジープ・チェロキー」を開発するなど、現在のSUV的なコンセプトを積極的に提示していたわけだが、1987年にはクライスラーに買収され、ジープブランドのみが引き継がれた。ここでイーグルのコンセプトはいったんお蔵入りとなる。
それを掘り返したのが乗用四駆の先駆けでもあるスバルだ。1994年に発売された「レガシィ アウトバック」は、以降6代にわたってスバルの屋台骨である北米市場を代表する車種となっている。その後、同じく四駆をブランドの糧とするアウディや、本拠地が北方にあるボルボなど、同様のコンセプトのモデルは広がりをみせてきた。一方で、仕向け地によっては背高ボディーのSUVに飲み込まれるかたちで、販売をやめる動きもある。
そんななか、メルセデス・ベンツにとっては「Eクラス」に次ぐ第2弾となる、Cクラスのオールテレインが発売された。なぜ今……という疑問も浮かぶが、察するに大きな理由のひとつは、ステーションワゴンという世界的に衰退しているカテゴリーが、メルセデスにとっては長い歴史とともに特別な思い入れのあるものだからだろう。この車型を継承するためにも、新しい魅力を提示する必要がある。加えてライバルのBMWが持たないカテゴリーであることも、新しいオールテレイン投入の一因ではないだろうか。...