追い風が吹いている
「レヴァンテ」に続く、マセラティ史上2台目となるSUV「グレカーレ」にイタリア本国で試乗。個性的な内外装や、ミドシップスポーツ「MC20」譲りのパワーユニットなどトピックにあふれるミドルクラスSUVの仕上がりを、日本上陸を前に確かめた。
実際よりもコンパクトに見える
「ミストラル」「ギブリ」「ボーラ」「カムシン」「シャマル」、そしてレヴァンテなど、風の名前を車名とすることを伝統としてきたマセラティ。そのマセラティに、地中海に吹く北東の風を意味するニューモデルが誕生した。モデルラインナップではレヴァンテの下に位置するミドルクラス、いわゆる最も売れ筋ともいえるDセグメントのSUV、グレカーレである。
本来ならば半年ほど前、2021年の秋に市場投入されていたはずのグレカーレだが、世界的な半導体不足の影響を受け、デビューが2022年4月にと半年ほど遅れた。ただ、そのぶん市場からの期待が高まる結果となった。最も強力なライバルは、もちろんポルシェのミドルクラスSUV「マカン」であろう。
まずは簡単にグレカーレの構成を解説しておこう。グレカーレの核ともいえるプラットフォームは、アルファ・ロメオの「ステルヴィオ」などですでに採用されている最新世代の「ジョルジョプラットフォーム」である。マセラティはそれを50mmほど延長して使用しているが、剛性に違いはないという。ボディーの全長はレヴァンテが5000mmを超えるのに対して、グレカーレはグレードによって差があるものの、どれも4860mm以内に収まり、全幅は2000mm、全高は1700mm以内に収まっている。日常の使い勝手は、混雑した都市部でも大きな負担にはならないだろう。ホイールベースは全モデルとも2901mmの設定だ。
実際に見るグレカーレは、レヴァンテとの関連性を表現しつつも、独自のプロポーションで時代と流行を超えたパフォーマンスを実現する彫刻のようなフィニッシュを感じさせる。マセラティはそれを「イタリアの建築とクラフトマンシップを革新的に再解釈したもの」と説明するが、エクステリアもインテリアもラグジュアリーな魅力を強く感じる仕上がりで、実際の外寸よりもコンパクトに見える。これもまたデザインの妙といえる部分だろう。...