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ホンダN-BOX L・ターボ コーディネートスタイル(FF/CVT)【試乗記】


欲望が生み出した怪物

ニッポンのベストセラーカーとして無人の野を行く「ホンダN-BOX」。軽乗用車ゆえにライバル車とサイズもパワートレインのスペックもほとんど同じなのに、カスタマーからの圧倒的な支持を受けるのはなぜなのか。最新モデルで検証した。

スシロー VS 2番手グループの図式

コロナ禍によるサプライチェーンの寸断や半導体不足などの逆風を浴び続けた2021年、日本で最も売れた軽自動車はお変わりなしのN-BOXだったそうだ。

台数は18万8940台。2020年との比較では96.4%と若干数は落としているが、それでも2位の「スズキ・スペーシア」や僅差で続く3位の「ダイハツ・タント」に対して、7万台前後の差をつけた。軽スーパーハイトワゴン(という呼び名もどうかと思うが……)カテゴリーにあって、そのシェアは完全に一頭地を抜いている。回転寿司になぞらえればスシロー級の存在感に、くら寿司やはま寿司がなんとか一矢報いようとしている様相という感じだろうか。

そしてこの2022年、N-BOXは2021年12月のマイナーチェンジを踏まえて、ほぼ月2万台のペースで売れまくっている。桜も咲いたばかりだというのにあらぬ皮算用だが、このペースでいけば登録車も含む乗用車総合の日本一を再び奪還しそうな勢いだ。ちなみに2021年の総合1位は「ヤリス」だが、ここには「ヤリス クロス」というハコ違いの親戚も含まれている(この原稿を書いたあとに、2021年度<2021年4月〜2022年3月>の新車販売台数が発表されましたが、N-BOXがヤリスを抑えて年間1位になりました。その差はわずか120台。ホンダの意地を感じます)。

もはや日本では国民車という符号に特別に意味合いも感じない、それほどに多様なクルマがすみずみにまで普及している。でも、そんな中でなぜN-BOXは大勢の支持を集めるのだろうか。そんなことを考えながら、今回は400km近くの行程を一気に走りきってみた。

東京・青山のホンダ本社から借り出したのは真ん中のグレードにあたる「L」の「ターボ」。バイカラーと鉄チンホイールで愛らしくまとめられた「コーディネートスタイル」というトリムラインだ。これで青山通りを練り回す55歳のオッさんという絵面はホンダにとってはまあまあな嫌がらせだろう。

申し訳ないなぁと思いつつ走り始めてみると、以前に乗った記憶と比べても、CVTのつながり感がタイトで、地下からの急なスロープを上がって歩道をそろそろと横切りながら表通りを曲がって……という微妙な低速域でのコントロール性が高い。そのまま渋滞からの加減速が連続する昼間の青山通りでも速度が合わせやすく、エンジンの無駄吹けが抑えられていることが分かる。何か手が加わったかなと調べてみたら、2020年末のマイナーチェンジでCVTのマネジメントが見直されていたようだ。...

提供元:webCG

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