ミニバンを超えて
国産の主要ミニバンが続々とモデルチェンジされ、ファミリー層の需要も高まりそうな2022年。それに代わる選択肢となり得る“3列シートSUV”はどうなっているのか? 代表的なモデルのひとつ、「マツダCX-8」に試乗して確かめた。
振り返れば英断だった
マツダのラインナップからミニバンが消えて久しい。「MPV」「ビアンテ」は早々となくなっていて、4年前に「プレマシー」が販売終了した。売れ筋のミニバンを廃止して大丈夫なのか、と心配になったが、今になってみれば英断だったと思う。マツダは2017年12月に3列シートSUVのCX-8を発売した。ミニバンに代わる選択肢として世に問うたのである。
ミニバンも根強い人気を保っているけれど、SUVの勢いはますます強まっている。コンパクトSUVから堂々としたプレミアムSUVまでそろえてフルラインナップ化するメーカーもあるほどで、トレンドではなくメインストリームになった。3列シートを持つSUVも多い。国産では「日産エクストレイル」「ホンダCR-V」「レクサスRX」などがあり、海外からは「ジープ・グランドチェロキー」や「ボルボXC90」などが導入されている。
実際に3列シートSUVがミニバンの代替となっているかというと、なんともいえないところがある。ミニバン人気の大きな理由にスライドドアの便利さが挙げられるが、SUVはヒンジ式ドアだ。乗降性では明らかにミニバンが有利である。SUVのアドバンテージは、スタイルのよさと運転の楽しさだろう。マツダがミニバンをやめた理由がまさにそれである。魂動デザインとミニバンは相性が悪く、スカイアクティブ技術が目標に掲げる運転感覚も実現が難しい。さらに、スライドドアは衝突安全で不利な面がある。
マツダが2012年に発売したSUV「CX-5」は好評で、日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。2015年にコンパクトな「CX-3」を追加し、2019年に「CX-30」、2020年に「MX-30」と、SUVラインナップを充実させている。フラッグシップSUVのCX-8は、2022年1月から最上級グレード「Exclusive Mode(エクスクルーシブモード)」に2.5リッター自然吸気ガソリンエンジンモデルが追加された。2.2リッターディーゼルターボ、2.5リッターガソリンターボと合わせて3種類のエンジンから選べるようになったわけである。...