直火のぬくもり
将来的な電気自動車専業化への道筋を掲げるブランドはいくつもあるが、ボルボはすでに具体的な歩みを始めている。それはつまり「油で動くボルボ」に残された時間がわずかということでもある。熟成極まる「V90クロスカントリー」を連れ出してみた。
すでに軸足はBEVに
半ばおさらい的な話になるが、ボルボは2030年には販売車両の全数をBEV化するという計画を掲げ、2025年には全数の半分をBEVに、半分をハイブリッド系にするというパワートレイン戦略のロードマップを敷いている。そこに向けて現在は、全数の電動化を完了。「C40リチャージ」で本格的なBEVの販売を開始したという段階だ。
ちなみに日本でも2025年にはBEVの販売比率を4割に高めようという意向を表明していて、つい先日はC40リチャージの1モーターFWDモデルを599万円という意欲的な価格設定で投入した。容量69kWhのバッテリーで434kmの航続距離(WLTP値)という性能を知れば、日本製のBEVに対しても十分な競争力があるといえそうだ。
と、そんな本気の裏側で、内燃機を搭載するボルボのモデルは徐々にフェードアウトしていく運命にある。2015年以降、新たに発売されたモデルは「スケーラブルプロダクトアーキテクチャー(SPA)」の採用に伴い、すべてのパワートレインを横置き2リッター4気筒に一本化。そこに過給器やモーターなどのアドオンでパワーを上乗せしていくという鮮やかな施策をとったわけだが、BEVへの切り替えに伴い、そのアーキテクチャーも短命にて終了ということになるのだろう。ちなみに直近の情報では、自社設計のモーターや大型キャスティング部品による車台構築など、すでにリソースが次代に集中しつつあることも伝わってくる。...