100年に一度の憂鬱
コロナ禍のなか、2年ぶりの開催となったJAIA輸入車試乗会。webCGこんどーは「MINIジョンクーパーワークス」と「ランドローバー・ディフェンダー110」「BMW iX」を連れ出し、クルマの歴史や進化、そしてその未来に思いをはせた。
Miniを継ぐもの MINIジョンクーパーワークス……487万円
2022年3月2日に、日本での発売20周年を迎えた“新生”MINI。20年前のデビュー時には「大きくなりすぎ」とか「こんなのミニじゃない」なんて声も一部で聞かれたMINIだったが、“もっとずっとデカいの”もバリエーションに加え、今や誰もが認める「おしゃれなクルマ」として街の風景に溶け込んでいる。
この20年の間に、ラインナップを増やしたり減らしたりしてきたMINIブランドにおいて、変わらず原点であり、また最もスポーティーな存在であり続けているのが、MINI 3ドアのジョンクーパーワークスだ。
全長3880mm×全幅1725mmというコンパクトなボディーに、最高出力231PSの2リッター4気筒ターボエンジンを搭載。今や驚くほど速い、という存在ではないものの、クラシックMini風味を醸し出す絶妙なセッティングによって、昔ながらのチューニングカーのような走りが楽しめるのがうれしい。
荒々しさをあえて残したエンジン音や排気音、そしてがっしりとしたステアリングフィールからも、これまでちょっと旧いクルマで慣れ親しんできたような躍動感が感じられる。荒れた路面のショックを乗員にダイレクトに伝えるのも、ギアが変わるたびに大きめのシフトショックを発するのも、BMW流の“懐かしさ”の演出だろう。このあたりにも、ミニの長い歴史に対する敬意を感じる。
いっぽうインテリアにおいては、わかりやすく進化の跡が見てとれる。センターに大型の円形パネルが設置されるのはお約束だが、パネルの周囲には照明が配置されていて、エンジンの回転数などによって光り方が変化する仕組み。MINIらしい華やかさと遊び心にあふれている。丸いアナログタイプだったメーター類が、オーバル型のマルチディスプレイメーターパネルに変わったのも新しい。ここには、エンジン回転数や速度のほかに、ナビ画面なども表示される。
2025年以降はEV専業ブランドに移行すると宣言しているMINI。“旧さ”を表現しづらくなったその製品は、徐々にクラシックMiniのイメージから離れていくことになるだろう。だが、BMWのクルマづくりはしたたかだ。MINIの魅力のひとつは、その車格感のなさにある。ヒエラルキーに属さない独自の個性と魅力を生かしながら、ゴーカートフィーリングは電動カートフィーリングと表現を変え、いまのMINIのDNAをうまく継承していくに違いない。
【スペック】 全長×全幅×全高=3880×1725×1430mm/ホイールベース=2495mm/車重=1290kg/駆動方式=FF/エンジン=2リッター直4 DOHC 16バルブ ターボ(最高出力:231PS/5200rpm、最大トルク:320N・m/1450-4800rpm)/トランスミッション=8AT/燃費=14.5km/リッター(WLTCモード)/価格=487万円...