ねじ伏せるトヨタ
トヨタの「ノア/ヴォクシー」がフルモデルチェンジ。進化したポイントを手短にいうと“全部”である。シートアレンジや収納スペースといったミニバンならではの要素を磨き上げただけでなく、最新の運転支援装備も惜しみなく投入。これだからトヨタの本気は恐ろしい。
一番売れてる箱型ミニバン
トヨタはこれまでも“5ナンバーワンボックスミニバン”の隠れた王者だった。ノアとヴォクシー(そして「エスクァイア」)をそれぞれ別のクルマと換算すれば、単独販売台数では「セレナ」が上をいくケースも多い。日産はその事実をもってセレナを“ミニバン販売No.1”と喧伝することもあるが、トヨタの3台は細部デザインと販売チャンネルがちがうだけで、事実上は同じクルマだったのはご承知のとおり。そのトヨタ3車種をまとめれば、セレナよりはるかに売れているのも、ご想像のとおりである。隠れるほどでもなく、このセグメントの最多販売はトヨタだ。
そんなノアとヴォクシー(以下ノアヴォク)のフルモデルチェンジは2014年1月以来、じつに8年ぶりとなる。ウワサでは、新型公開済みの「ステップワゴン」のみならず、セレナも今年中のフルチェンジが見込まれる。それが本当なら、ステップワゴンは7年、セレナは6年ぶりの刷新となる。つまり、ノアヴォクはこの6年間ずっとクラス最古参商品だったのだが、実質販売台数でセレナやステップワゴンにゆずることは一度もなかった。
トヨタの国内販売は今や全店舗全車種とりあつかいなので、かつてのような双子車や三つ子車の存在意義はかなり薄れた。しかし、今回もノアとヴォクシーの両方(エスクァイアは先代かぎり)がある。その理由を開発責任者の水澗英紀氏は「ノアとヴォクシーの販売台数を考えると、今でも2種類を用意する意味は十分あると思っています。ただ、ノアとヴォクシーをどの店舗でも自由にお選びいただけるようになったので、ヴォクシーはあえてより先鋭的なデザインとしました」と説明する。
実際、モデル最末期といえる昨2021年でも、エスクァイアも含めたノアヴォクの合計販売台数は12万6778台にのぼった。ちなみに同年のセレナは5万8954台、ステップワゴンは3万9247台だった。...