日々の運転にワクワクを
ホンダのコンパクトSUVをベースに、走りに磨きをかけた「ホンダ・ヴェゼル モデューロX」。ホンダアクセスが開発を進めるコンプリートカーのプロトタイプに、いち早く試乗する機会を得た。「日常使いでも違いが感じられる」という、その走りの秘密に迫る。
4輪の接地性を重視
ホンダのヴェゼルe:HEVモデューロXコンセプトに初めて対面したのは、「東京オートサロン2022」の会場だった。ボディー同色の、ちょっとグリルレス風にデザインされたオリジナルのヴェゼルに対し、しっかりとグリルの存在を主張するモデューロXは、オリジナルより引き締まった印象がある。グリル形状には新型「シビック」を思わせる部分もあり、これはこれでアリだな、と思っていた。そのときには「2022年内の発売を目指す」と説明されていたのだが、まさかこれほど早く、そのステアリングを握る機会が得られるとは思わなかった。
まだ市販されていないモデューロXに試乗できたのは、2022年2月初旬に開催されたホンダの雪上試乗会で、試乗車のなかに開発中の「モデューロX(AWD)プロトタイプ」が含まれていたからだ。開発を担当したホンダアクセス開発部NVD2ブロックスタッフエンジニアの菊川邦裕氏によれば、モデューロXの走りの方向性は「誰がどんな道で乗っても安心して気持ちよく走れる」ようにすることであり、そのために「あらゆる路面で懐深い」「しなやかで上質な乗り味」「意のままに曲がれる」などを目指したという。その実現のために、足まわりを専用のセッティングとし、実効空力を意識したエアロパーツを装着している。
ここで言う「実効空力」とは、高速領域だけでなく、40〜50km/hという日常走行領域でも体感できる空力性能のことであり、その特徴はすべてのタイヤに均等に荷重を発生させることを目指していることだ。
標準車の場合、プラットフォームのベースがFFであることもあり、走行時には前輪の荷重が大きい前傾姿勢の傾向があるという。これに対し、モデューロXではそれぞれのタイヤをしっかり接地させ、タイヤの持つ性能をフルに引き出すことができるように、前後のリフト量を均等に近づけている。
後輪荷重を増やすため、特に効果的だったのがリアのボディー下面に取り付けた新しい空力デバイスだ。床下に三角の形状をした突起を追加することで車体下面からの空気の吸い出しが向上し、後輪を地面に押し付ける力を発生させているという。...