痛みが開く記憶の扉
もともと個性派ぞろいのフランス車のなかでもシトロエンは別格だ。このほどマイナーチェンジモデルが上陸した「C3エアクロスSUV」でも、その持ち味がいかんなく発揮されている。好きか嫌いかで言うと、もちろん筆者は大好きだ。
「アミ」以来のヘンテコデザイン
シトロエンのコンパクトSUV、C3エアクロスSUVが2017年のデビュー以来、4年目のマイナーチェンジを受けて、よりいっそうブサかわいくなった。以前のカピバラっぽさが消えて、「わさお」になった。という感じでしょうか。
改良ポイントは、まずもってフロントマスクである。中央のシトロエンのマーク「ダブルシェブロン」からサイドにクロームが伸びて、上はデイタイムランニングライトへ、下はLEDヘッドライトへとつながっている。これがシトロエンの新しいアイデンティティーで、すでに改良型「C3」に採用されている。
C3エアクロスSUV、名前が長いので、ここではわさおと呼んでおきますが、わさおが独自なのは、その下のグリル内に設けられた縦方向のルーバーだ。ラッセル車みたいにそり口になっていて、熊手とか『北斗の拳』のニセケンシロウのヘルメットとかを思わせ、これまでよりタフで強そうに見える。
リアは、リアクオーターのガラス部分の装飾をシマシマから、白い「C」の文字を上下に組み合わせたような装飾に変更しているぐらいで、基本的なイメージは変わっていない。
これらエクステリアの変更は、「綿密なリサーチとこれからのシトロエンのデザインコードを高度に両立させることを目標に行われた」そうで、つまり、シトロエンとしては狙ってやっている。個性的なのはよいことである、というフランスならではの土壌に、シトロエンであればなおさら、というこのブランドならではの強迫観念のようなものが積み上げられ、「シトロエン・アミ」以来、といってもいい、ヘンテコなデザインが誕生した、ということだろう。...