これがオーラだ
名門マセラティといえどもクルマの電動化の大波から逃れることはできないのだが、やはり伝統のマルチシリンダーユニットは格別の味わいだ。最高出力580PSのV8ツインターボエンジンを積んだ「ギブリ トロフェオ」のパワーとサウンドに身をゆだねてみた。
マセラティ史上最速セダン
マセラティの最新モデルのなかで、一番の注目は「ギブリ ハイブリッド」だろう。マセラティにとって初の電動化モデルである。SUVの「レヴァンテ ハイブリッド」が登場することもアナウンスされている。いずれも48Vマイルドハイブリッドシステムだが、次世代モデルには内燃機関を持たないEVがラインナップされる予定だ。ラグジュアリーブランドのマセラティとて、社会の流れに沿って変化していくのは当然である。
とはいいながら、今回試乗したのはそうした動きとはあまり関係のないモデルだ。ギブリの最上級グレードにして最高のスポーツ性能を持つトロフェオである。エンジンは3.8リッターV8ツインターボで、最高出力は580PS、最大トルクは730N・m。最高速は326km/hで、マセラティ史上最高速のセダンとなる。4WDモデルはなく、FRだけという潔い設定だ。
モンスターと呼んでもいいほどのハイパフォーマンスモデルなのに、見た目でそれをアピールしてはいない。大仰な空力パーツを付加することもなく、端正で調和のとれたプロポーションである。レーシーさを感じさせるのは、カーボンパーツが多用されているところだろう。リアバンパーの下にはカーボン製のリアディフューザーが備わる。エアアウトレットを装備したボンネットを開けると、エンジンカバーもカーボン製だった。その向こうに赤く塗装されたヘッドがのぞき、特別なパワーユニットであることを主張している。
大きく印象が変わったのは、リアコンビネーションランプだ。外側に向かって下降していくブーメラン型の形状となった。昔からのファンには感慨深いだろう。「3200GT」の初期型モデルで採用されていたものである。アメリカで不評だったということで後期型では変更されてしまったが、いかにもマセラティらしいエレガンスを感じさせた。サイドエアベントに赤い飾りが付けられているのはトロフェオだけ。Cピラーのトライデントには赤いヤリが配されている。...