のんびり行こうよ
空冷エンジンを抱えるクラシカルな外観で、往年のスタイルを貫くロイヤルエンフィールドのオートバイ。そのなかで排気量が最も大きな「INT650」にまたがった筆者は、走りの味にも「バイクに乗る喜びの原点」をみたのだった。
いまでは希少なおおらかさ
ロイヤルエンフィールドINT650、本国名「インターセプター650」は、648cc並列2気筒エンジンを搭載したインド産のネイキッドモデルである。価格は、77万6000円(スタンダードモデル)から。基本的なコンポーネンツを共有するモデルに、ハンドルをセパレートタイプにしてカフェレーサースタイルを採る、「コンチネンタルGT650」がある。
よく知られるように、ロイヤルエンフィールドは、モーターサイクルの製造に関しては20世紀初頭、その前身である自転車事業においては19世紀中ごろにまでさかのぼれる歴史あるブランドである。とはいえ、英国本社は1971年に倒産。現在は、1950年代に設立されたエンフィールド・インディアが名称を引き継ぎ、現地での生産を続けている。「ロイヤル」の名を冠したまま元宗主国由来のバイクを手がけるあたり、インド人の懐の深さ、というか、したたかさを感じさせますね。
INT650の実車を前にすると、やや古風な、いかにもおおらかな風情がある。最近のスポーツバイクの、エンジンもギアボックスも触媒もマフラーも、なにもかもセンターにギュッと押し詰めたようなスタイルと比較すると、鋼管ダブルクレードルのフレームに(ほぼ)直立して載せられたエンジンまわりには余裕が感じられる。フラットに後方に伸びたシートがクラシカル。
ただ、INT650をして、例えば「カワサキ・メグロK3」のような本格派(!?)レトロモデルと捉えると、頭の中がモヤモヤすることになる。フロントフォークには未舗装路を行くことを考慮したブーツが巻かれ、一方、リアサスペンションにはぜいたくな別体タンク式のショックアブソーバーがおごられる。ブレーキは、前後ABS付きのディスク。スポークホイールに巻かれたタイヤは、フロント、リアとも18インチである。綿密な商品企画とマーケティングから生み出されたプロダクトに慣らされた目には、いまひとつ「狙い」がわかりかねる。...