未来のネオクラシック
排気量1リッターの直3エンジンにMTを組み合わせた「ルノー・トゥインゴS」。エントリーモデルのMTで、しかも後輪駆動という好事家が笑顔を見せそうなフレンチコンパクトの走りを、郊外のドライブコースで確かめた。
なかなかやるじゃないか
先日、第三京浜・都筑インターそばの中古車ショップで、水色の塗装がかなり色あせた初代トゥインゴを眺めながら「コイツをここから救出して、きれいに直して手を入れながら乗ったら楽しいんじゃないか」と夢想した。しかも、新車だったころに試乗してめっちゃ気に入った5段MT仕様。
結局のところ、いやいや2台所有はムリ、といういつもと同じ結論に達したけれど、その日の夜にwebCG編集部から「マニュアルのトゥインゴSに試乗しませんか」というメールが届いて、不思議な縁を感じた。
試乗当日、ドライバーズシートに腰掛けて、エンジンを始動すべくクラッチペダルを踏み込む……と、あまりのクラッチペダルの軽さに、左足がフロアを踏み抜きそうになる。ここ最近、MT車の試乗というとクラッチペダルの重たいハイパフォーマンスモデルばかりだったから、ついつい力が入ってしまったのだ。
こういう実用車のMT仕様に乗るのはいつ以来だろう、と考えて、最後は「スズキ・ジムニー」と「ルノー・カングー」だったということに思い当たる。ま、ジムニーはある種のスペシャリティーカーだから、フツーのMT車に乗りたいと思って探すとルノーが最有力ということか。
5段MTのシフトフィールを確認しながら1速にシフト。ゆっくりとクラッチをつなぐ。997ccのNA(自然吸気)エンジンだから、低回転域でのトルクはどんなもんだろうかと疑心暗鬼だ。けれども、車重950kgという軽さもあってか、アクセルペダルを踏まずとも、アイドル回転で粛々と発進した。ほーっ、なかなかやるじゃないか。扱いやすいぞ。
クラッチペダルは、ミートポイントがわかりやすく、慣れれば軽すぎるというほどは軽くない、イイ感じの踏み応えだ。2ペダルのAT車だったら、Dレンジに入れてアクセルペダルを踏んでハイ発進、で済むのに、MT車は手間がかかる。でも、「手間がかかる」の後ろに、(笑)をつけたくなるような、ペットの相手をするような手間のかかり方だ。...