間違いなくベスト
スバルの中核モデルとなったワゴン「レヴォーグ」に、2.4リッターエンジンを積む高性能バージョンが登場。「既存の1.8リッターモデルのオーナーは知らないほうがいい」と思えるほどの、走りのクオリティーとは?
特筆すべきはバランスの良さ
新型「WRX S4」の試乗に合わせて、会場の袖ケ浦フォレストレースウェイに用意された、1台のレヴォーグ。これにはWRX S4と同じパワートレインが搭載され、「STI Sport R」というグレード名が与えられていた。
レヴォーグといえばこれまでのトップグレードにも「STI Sport」の名が冠されていたが、これと「R」との最大の違いは1.8リッター直噴ターボ「CB18」エンジンが2.4リッターの直噴ターボユニット「FA24」へと置き換えられていることである。この高出力化に伴って、CVTも強化型に。また、その4WD制御もセンターデフを持つVTDとなった。つまり、WRX S4の中身をまるっと移植した、スペシャルなレヴォーグというわけである。
さてそんなレヴォーグSTI Sport R(プロトタイプ)をサーキットで走らせたわけだが、WRX S4よりむしろこちらが今回の主役ではないか? と思えるほどの仕上がりの良さだった。
自分で「スペシャルなレヴォーグ」なんて言っておいてなんだが、その加速感は驚くほどではない。ちなみにそのアウトプットはWRX S4(最高出力275PS/最大トルク375N・m)と全くの同値なのだが、これがシャシーと実にうまくバランスしているのである。
空は快晴ながら路面はたっぷりとぬれている、ダンプなコンディション。この難しい路面でレヴォーグSTI Sport Rは、アウトラップからいきなり高い接地感を発揮した。アウト/インラップ含めて4周しかない状況のなか、筆者はいきなり「スポーツ」モードでダンパーの減衰力を高めてコースに出たのだが、1コーナーに向かうピットレーンから、ゆっくりとハンドルを切り始めただけで、タイヤが路面をつかむ様子がよくわかったのだ。
そのハンドリングは、コースに出ても変わらなかった。ブレーキングからターンインにかけて、例えばWRX S4なら荷重が素早く移動し過ぎて、リアがスーッと流れていくような場面でもレヴォーグのSTI Sport Rは、その動きがとても穏やかである。それどころかハンドルを切り込んでいくほどに手応えが増し、走りの上質感が高まる。たとえ、リアが突然滑り出すスナップオーバーステアが出ても、その流れ出しが緩やかだから、アクセル操作で姿勢を整えていくことができる。
この優しい操縦性には、ひとつはセダンであるWRXに比べてボディー剛性がやや低いことが起因している。剛性が低いことが良いわけではなく、そのボディーに対して、足まわりとタイヤの剛性バランスがぴったり合わせ込まれている点が良いのである。...