“走りのホンダ”を体現せよ
世界的な人気モデルでありながら、日本ではいまいち存在感が薄くなってしまった「ホンダ・シビック」。このクルマが“おひざ元”でも元気を取り戻すためにはどうすればよいのか? 新型のスポーティーな走りを味わいながら考えた。
若者向けなの? 大人向けなの?
「ジェネレーションZ」すなわち1990年代後半から2000年代に生まれた若者をターゲットにしたという新型シビックは、しかしかなり大人びたデザインをしている。
全長4550×全幅1800×全高1415mmというサイズを生かしたボディーは、5ドアハッチというよりスポーツバックというカッコつけた言い方のほうがふさわしい。アメコミから飛び出したかのような先代のゴテゴテ・ガキガキっぷりは一気になりを潜め、どちらかといえば欧州車のトレンドに沿った形だ。これでキャラクターラインがパキッと出て、ぼってりとしたボディーの印象を引き締めることができていたら、かなりの秀作として語られたことだろう。もちろんアウディなどはそこに莫大(ばくだい)な資金をつぎ込んでいるわけだから、テイストをまねるだけでは無理な話なのだけれど。
ともかく筆者が言いたいのは、これで若者向けのエントリーモデルなのか? ということだ。いや、これは文句ではなくて質問である。今どきの若者って、こんなに大人びているんですか?(汗) 筆者としては、むしろ先代のほうが若者向けだったと思う。「タイプR」の文金高島田のような印象が強すぎて、すべてのモデルがガンダムイメージになってはいるが、それこそ5ドアハッチなどはちょうどよい派手さを持っていて、若者が“プアマンズR”を気取れたと思うのである。
そんな大人びた新型シビックだが、走らせると結構硬派だからおかしい。端的に言うと筆者には足まわりが硬く感じられ、「お前は若者か? それともオッサンか?」と、クルマの神様に軽く試されているような気持ちになる。...