昭和は遠くなりにけり
「ホンダNSX」の最終モデルとして発表された「タイプS」だが、目の前の試乗車は同じNSXタイプSでも先代モデル、17年落ちの2004年式だ。同じ名前でも現行モデルとはまるで違う、電気仕掛けとは無縁のプリミティブな走りを味わってみた。
昨日のことのように思い出す
「次の試乗車はホンダNSXタイプSです」と『webCG』のFさん。 「あ、ランボっぽくカッコよくなった最終型ね」 「違うんです。旧型の……」
ホンダのスーパースポーツをランボルギーニに例えるのもいいかげん失礼だが、それで話が通じてしまうのもなんだか寂しい。2代目NSXは、結局大きく羽ばたくことなく、ホンダのF1活動と軌を一にして幕を閉じてしまうのですね。
ところで、どうしてこの時期に初代NSXの記事をつくるのかと尋ねると、「当時のクルマをいま乗るとどうなのか忌憚(きたん)のないところをゴニョゴニョ……」と説明してくれるのだが、要は古いNSXの試乗車が用意されているので、せっかくだから取り上げたいということらしい。
望むところです。ベリーウエルカムです。1989年にプロトタイプが発表され、翌年から販売が開始された初代NSXといえば、言うまでもなく「トヨタ・セルシオ」「日産スカイラインGT-R」と並んで、昭和ニッポンの集大成ともいえるクルマ。個人的にも青春の甘い思い出とともに(ウソ)あらためてステアリングホイールを握ってみたい。
乗るのは最終モデルということで、リトラクタブルヘッドランプでないのがちょっと残念だが、ぜいたくは言いますまい。予習を兼ねて『webCG』の試乗記を検索してみると、アララ……。自分で記事を書いていますね。眠気と疲労のはざまでメモを切り貼りしただけの赤面リポートだが、日本のスーパーカーをドライブするうれしさと興奮だけは伝わってくる。晴れわたった空に向かって、VTECを響かせながらハイウェイを駆け上がっていくときの、あの高揚! 昨日のことのように思い出す(本当)。...