もうひとつの本命
2リッターのガソリンエンジンを搭載する「マツダCX-5」のベースグレード、「20S」に試乗した。ディーゼルモデルが圧倒的な人気を集めるCX-5のラインナップにおいて、パワーもトルクも控えめに映る20Sの“存在意義”とは? その魅力を探った。
軽やかさが信条
いまやマツダの大黒柱として不動の地位を築いたCX-5。常にその話題の中心にいるのは、2.2リッターの直列4気筒ディーゼルターボ(175ps/420Nm)を搭載する「XD」である。実際その売れ行きもCX-5全体の75%を占めており、残り25%を今回試乗した20Sと、2.5リッター直列4気筒の「25S」で分け合う形となっている。
同じ前輪駆動(FWD)モデルでその差31万3200円。それなら確かにユーザーが「一度はディーゼルを経験してみよう!」と思うのは納得。しかしより現実的な安全装備を搭載した「プロアクティブ」を選ぶと、差額は同じながらもXDは「300万円の壁」に突入してしまう。 そんな状況で、25%のマイノリティーがなぜガソリンモデルを選んだのか、今回はCX-5の最もベーシックなモデルである20Sに乗りながら、考えてみたいと思う。
「こりゃあ、ある意味本命だなぁ」 「ロードスターRF」試乗会のお供として連れ立ったせいか、CX-5 20Sに乗り換えると、自然とそんな言葉がクチからこぼれた。 コンパクトで小さく、ダイレクトなステアフィールを持つロードスターRFに比べ、CX-5の乗り心地は快適で、室内が静かで、当たり前だが乗員の視点は高く、とても広い。
しかし2台のギャップだけが、そう言わせたのではない。むしろ同じ「ロードスター」でも1.5リッターユニットを積む“元祖”をほうふつとさせる軽快感が、20Sの246万2400円からという現実的な価格とシンクロして、気持ちを高揚させたのだろう。そう、このベーシックモデルのよさは、何よりその存在が軽やかなことである。...