高いものには理由がある
5代目「メルセデス・ベンツCクラス」がいよいよ日本の道を走り始めた。強力な電動パワートレインや先進のインフォテインメントシステムを採用した新型は、“C”の枠を大きく飛び越えるほどの進化を果たしている。1.5リッターマイルドハイブリッドモデルに試乗した。
またもサイズアップ
従来型Cクラス(W205)が6500カ所も変更したという大がかりなマイナーチェンジを受けたのはちょうど3年前のこと。ヒット作だっただけにもう新型か、という気がしないでもないが、コンパクトセダンのベンチマークとして常に注目されるだけでなく、ますます厳格化されるCO2排出量ルールに対応するためには一時も立ち止まっているわけにはいかないのだろう。自動車界が激変期にあるということをあらためて実感する。
「Eクラス」を飛び越してプチ「Sクラス」と呼ばれるだろう新型Cクラスは、滑らかで簡潔な面で構成されている。遠目に見ると、特に後方からのスタイルはEやSクラスと簡単に見間違えるほど。もちろん意図的なものだろう。実際にまたもわずかに大きくなった新型Cクラスのボディーの全長はほぼ4.8m、ホイールベースは2865mm、ということはちょうど3代目Eクラス(W211)に相当する堂々としたサイズで、Cクラスの前身にあたる「190E」が全長4.5m以下の5ナンバーサイズだったことを考えると、もはや立派なアッパーミディアムクラスである。新型「C200アバンギャルド」のボディーサイズは全長×全幅×全高が4785×1820×1435mm、ホイールベース2865mmというもので、従来型最後期の「C200ローレウスエディション」と比べるとそれぞれ+80/+10/+5/+25mmの増加となる。シンプルで奇をてらわないデザインゆえにちょっとおとなしく、保守的に映るかもしれないが、中身は2021年春に発売された新型Sクラスに遜色ない先進機能満載である。
1993年デビューの最初のCクラスから数えて5世代目にあたる新型はセダンとエステート(ステーションワゴン)が同時に発表された。近年はFWDのコンパクトなSUVモデルなどを積極的に投入してラインナップを拡充しているメルセデス・ベンツだが、主力モデルはやはりセダンである。なかでも最もコンパクトな後輪駆動モデルであるCクラスは、2014年発売の先代W205だけでこれまでに250万台以上が販売され(国内でもおよそ10万台)、1982年発売の「190シリーズ」(W201)から数えると総計では1000万台を超えるという。文字通りメルセデスブランドを支える中核モデルである。...