フラットツインの火は消えない
エンジンの改良により、厳しい環境規制をクリアした「BMW R nineT」シリーズのなかから、程よいオフロードテイストが魅力の「R nineTスクランブラー」に試乗。その走りからは、これからも空油冷フラットツインの魅力を伝えていきたいというBMWの意思が感じられた。
どのラインディングモードでも楽しめる
2021年モデルのR nineTスクランブラーは、マシンの外観を見ても何が変わったか分からない。基本的に変更を加えられているのがエンジンや吸気系、マネジメントシステムだからだ。最高出力は110PSから109PSになっているが、116N・mの最大トルクはそのまま。厳しい排ガス規制に対応したことでフラットツインエンジンのフィーリングがどのように変化したのか、気になるところだ。
最初はモードセレクターを「ロード」にして走ってみる。フラットツインの歯切れのよい排気音も感じられるし、レスポンスも良好。低回転からトルクがあるから全域で力強く加速していく。厳しい排ガス規制で影響を受けそうな高回転でも気持ちよく伸びていく。
電子制御になったスロットルのレスポンスは開け始めがマイルドになっていて、さらに開けていくと本来のトルクが出てくる味つけ。頻繁に加減速するストリートでも扱いやすい。ただ、スロットルを戻したときのエンブレは強めで、加えて減速側は特にショックを軽減するような設定にはなっていない。高回転域からスロットルを戻すときは、丁寧に操作したほうがいいだろう。
「レイン」モードにするとスロットルを開けたときの力の出方が穏やかになって、高回転でのピークパワーも若干落ちるが、極端に性格が変化するわけではないので十分に楽しく走れるレベル。ツーリングに出かけたときはレインモードを選んでおくのもありかもしれない。一方「ダイナ」モードでは、交差点の立ち上がりなどでスロットルを大きめに開けるだけでフロントが浮き気味になるくらい元気がいい。...