これぞ優駿
トラディショナル&スポーティーな見た目はそのままに、エンジンや足まわりが大幅に改良された「トライアンフ・スピードツイン」。懐の深さを感じさせる最新型に乗ったなら、多くのライダーが笑顔になるに違いない。
レトロなのはムードだけ
トライアンフ・スピードツインは、1960年代のトライアンフをほうふつさせるレトロなデザインとモダンな走行性能を融合させたモデルだ。2019年にデビューし、2021年モデルではエンジンやサスペンションをグレードアップ。さらに完成度を高めている。
実はこの試乗にあたっては、まったく前知識なしでマシンにまたがった。最初は普通のレトロスタイルネイキッドだと思っていたのだが、ふと見るとフロントフェンダーの先に見えるタイヤのパターンがスポーツバイクのよう。アレ、と思ってサスやブレーキを見れば倒立フォークにラジアルマウントされたブレンボのキャリパーがただ者ならぬ雰囲気を漂わせている。ポジションも前傾で、ステップは後退している。走りを追求したマシンであるということがいろいろなパーツから伝わってくる。
低速トルクは十分にあり、2000rpmから3000rpmくらいでゆっくり走っていると270度クランクの歯切れのよい排気音と鼓動感がとても楽しい。
しかし、本領を発揮するのはその上の中速域。スペック上は最高出力100PSだから、それほど激しいイメージは持たれないかもしれないが、中回転域のトルクは強烈だ。最大トルク112N・mを4250rpmという回転数で発生するから、シフトダウンなどしなくてもスロットルを開けた瞬間、間髪入れずドカンという感じで飛び出していく。ストリートをのんびり走っている時、追い越すため、ギアを変えずに加速しただけでフロントが軽く浮き上がり、トラコンが介入して車体姿勢を安定させるような時もあったくらいだ。回転の上昇を待つことなく、右手の操作ひとつで自由自在に加速させることができる。...