カッコだけのクルマにあらず
フォルクスワーゲンのラインナップにおいて、他のモデルとは趣を異にする伸びやかなスタイリングが目を引く「アルテオン」。ブランドの旗艦を担う5ドアクーペは、マイナーチェンジでどのような進化を遂げたのか。上質な仕様の「エレガンス」で確かめた。
あらためて感じるデザインの妙
アルテオンの源流は、先代「パサート」シリーズに設定されたコンフォートクーペ=「CC」にさかのぼる。セダンをベースにサッシュレスドアを与えた背の低いクーペフォルムの4ドア……といえば、1980年代に隆盛した日本車のキワ芸だったが、2000年代になってメルセデス・ベンツが「CLSクラス」でそれを再定義。市場で人気を博したことで他社の追従が激化した。そのなかでパサートCCは比較的早く登場し、実務的な印象の強いVWのラインナップにスペシャリティーカーとして華を添えてきたわけである。
アルテオンはパサートCCのコンセプトを継承しながら、同時に実用性の向上も果たすべくサッシュレス5ドアのハッチバックボディーを採用。カッコよさとの両立を狙っている。よしあしについては個人の感想というやつだが、今回のマイナーチェンジで追加された「シューティングブレーク」の出来栄えをみても、付け焼き刃ではなくかなり入念に練られたデザインワークであることは伝わってくる。
今回のマイナーチェンジでは、前後バンパーや灯火類、エキゾーストフィニッシャーなどが変更されたほか、エンブレム類も新CIにのっとったフラットデザインに変更。リアの車名エンブレムも、他の新型モデルと同じ字体に統一されている。
搭載エンジンは第3世代の「EA888」型2リッター4気筒直噴ターボで基本的には前世代と変わらないが、環境性能向上のため最高出力はわずかに削られ272PSに。350N・mの最大トルクは発生回転域が若干高回転側に振られている。組み合わされるトランスミッションは7段DSG、ドライブトレインは第5世代ハルデックスカップリングを介して、前後100:0をベースに最大50%の駆動力を後輪側に配分するオンデマンド4WDとなる。...