“象徴”の最終章
ジャガーのフラッグシップスポーツ「FタイプR クーペ」に試乗。まずはハンサムなフロントマスクに目を奪われるが、575PSにパワーアップした5リッターV8エンジンや熟成されたシャシーの完成度は、そのルックス以上に注目すべきものだった。
よりパワフルに進化した5リッターV8
久しぶりに対面したジャガーFタイプは、相変わらずハンサムだった。デビューしたのが2012年だから、間もなく10周年。クルマの世界でいえばかなりの長寿モデルだけれど、古さは感じさせない。
デビュー当初から何度かの小変更を受けてきたFタイプが、最後にお色直しをしたのは2020年の1月である。このとき、縦長だったフロントヘッドランプはLEDのスリムな形状に改められ、フロントグリルも黒いメッシュ仕上げに変更。精悍(せいかん)な顔つきになった。同時に、テールランプも円から直線基調のものに変更され、ひとことで言うとイマ風のシュッとした外観となった。
うまい、と思うのは、時流に乗ってLEDのヘッドランプを与えただけではなく、ボンネットの形状にも絶妙に手を加えたことだ。工夫をせずにライトだけを新しくすると、おじいちゃんがはやりのサングラスをかけているようにちぐはぐな印象になってしまうけれど、このクルマは違う。すっきりまとまっている。
乗り込む前に、「R」のエンブレムを確認。2020年のマイチェンを機に、最高出力が550PSから575PSに引き上げられた5リッターのV型8気筒スーパーチャージドエンジンを搭載したFタイプのハイパフォーマンスモデルだ。
参考までに、現在のFタイプはほかに2リッター直4と3リッターV6という2つのエンジンをラインナップ。それぞれの最高出力は前者が300PSで、後者が380PS。また、最強仕様の「R」の駆動方式は、AWDのみの設定となる。...