理想がここにある
軽量コンパクトな車体に、パワフルな2気筒エンジンを搭載した「ドゥカティ・モンスター」。軽快な走りを身上とするイタリア製ネイキッドスポーツの最新モデルは、このジャンルの理想ともいえる走りを備えたマシンに仕上がっていた。
フル加速でも感じられるエンジンの上質さ
1993年に登場して以来、ドゥカティ・モンスターはさまざまな進化を遂げてきた。年式やモデルによってハンドリングがずいぶん違っていて、なかには乗りこなすのが難しいモデルもあったが、今回試乗した最新のモンスターは、非常に扱いやすいマシンになっていた。
マシンにまたがってすぐに感じたのは、シートの低さと軽く前傾になる自然なライディングポジション。車体が軽いこともあって取り回しも容易で、走りだす前から乗りやすいマシンであることが伝わってくる。
エンジンのフィーリングも洗練されていて、さすがに3000rpmを切るような回転域で走るとギクシャクしてしまうが、そこから先はとても滑らかに回る。ツーリングモードで走ってみるとスロットルを開けたときのドンツキもなく、とても優しくレスポンスしてくれる。マイルドな特性だが、トルク自体はあるのでストリートではとても楽だし、マシンに急(せ)かされるような感じもしない。
軽やかに回転を上げていくLツインの鼓動感は、以前に比べて多少薄まったような印象もあるが、それは振動が少なくなってよりスムーズになったため。エンジン自体の完成度は確実に向上している。レブリミットまで引っ張って、回転上昇にともなうパワーの出方を確かめてみても、特にどこかの回転域で強く出るようなこともなく、終始フラットな特性を示す。どんな乗り方をしても従順で扱いやすい性格のエンジンだ。
ところが、これがスポーツモードになると様相が一変し、ずいぶんと元気になる。中速域でのレスポンスが鋭さを増し、回転を上げていくと7000rpm付近からパワーが盛り上がり、8000rpmからはレブリミットまで一直線に吹け上がる。非常にパワフルだが、エンジンのフィーリングはやはり滑らかだ。ツーリングモードのときに感じた上質さは、フルパワーで加速しているときも変わらない。...