10年後に向けた進化
フルモデルチェンジしたトヨタのハイブリッドカー「アクア」に試乗。新しくなった内外装や、世界初となるバイポーラ型ニッケル水素電池が搭載されたパワートレインの仕上がりを確かめながら、同門のコンパクトカー「ヤリス」との違いを探った。
注目の新型バッテリーを搭載
新型アクアの試乗車を受け取ってスタートボタンを押すと、10.5インチのセンターモニターに表示されたのは素っ気ないメニュー画面。「MAP」と印字されたスイッチを押してもナビ画面にはならない。ディーラーオプションのナビキットを付けなければ、カーナビは使えないのだ。スマホのナビアプリと連携させる必要があるのだが、あいにく接続ケーブルを持っていなかった。これからはディスプレイだけを装備してさまざまな機能をスマホ連携で使うことが増えそうだから、接続ケーブルは必需品かもしれない。
ナビは諦めて発進しようとすると、今度はパーキングブレーキの解除スイッチが見当たらない。足踏み式だったのだ。新旧の機構が混在しているから戸惑ってしまった。シフトセレクターはコンパクトな最新式である。メーターは先代ではダッシュボード真ん中の上部にあったのが、ドライバー正面に変更された。
センターディスプレイの下に、エアコンなどの操作スイッチが配されている。フィジカルなボタンやダイヤルの組み合わせで、トレンドのタッチ式ではない。使いやすさを優先するならば、これが正解になるだろう。黒が基調のインテリアはプラスチックパネルとソフトパッドのコンビネーション。カメラマン泣かせのピアノブラックは少なめで、落ち着いたトーンになっている。
今回のモデルチェンジで最も注目されているのがバッテリーである。新開発の「バイポーラ型ニッケル水素電池」を採用した。バイポーラとは双極という意味で、電気の通り道となる集電体の裏表に正極と負極を付ける構造である。シンプルなので従来型よりコンパクトになり、出力が向上するうえにセルを増やすことができるという画期的なバッテリーなのだ。...