スタンダードの誇り
いよいよ日本の公道を走りだした8代目「フォルクスワーゲン・ゴルフ」。長年にわたりCセグメントハッチバックのベンチマークとされてきたゴルフだが、そのアドバンテージは新型でも健在か? 1.5リッターエンジンを搭載した上級モデルで実力を確かめた。
ウリはデジタル化と電動化
「ぼくは人生であんなにすごいクルマを経験したことはそれまでなかったし、おそらく、もう将来もないんじゃないかと思う」
徳大寺有恒氏が名著『ぼくの日本自動車史』のなかで、フォルクスワーゲン・ゴルフとの出会いについて述べた一節である。1974年に発売された初代ゴルフは、そのぐらい衝撃的なクルマだったのだ。以来、ゴルフはFFハッチバックの代表と目され、乗用車のベンチマークという地位を守り続けてきた。
その8代目にあたる新型モデルが、クルマ好きから注目を集めるのは当然だろう。ヨーロッパより1年半以上遅れての日本発売となれば、飢餓感もひとしおである。フォルクスワーゲン グループ ジャパンのティル・シェア社長は、発売発表会見で「初代からずっと人々の生活に寄り添うピープルズカーであり、デジタル化や電動化に対応した新型でもそのあたりは変わっていない。シンプルで心地よい史上最高のゴルフだ」と胸を張った。
シェア社長の言葉のなかにあったデジタル化と電動化が、新型ゴルフのセリングポイントである。デジタル化とは、ディスプレイと操作系を一新したことを指している。液晶メータークラスターの「Digital Cockpit Pro(デジタルコックピットプロ)」を全車標準装備とし、電動類の操作はタッチパネルでコントロールする方式を採用した。
また電動化とは、フォルクスワーゲン初となる48Vマイルドハイブリッドシステムを取り入れたことだ。モデル名のなかの「eTSI」は、電動化された直噴ガソリンエンジン(TSI)という意味。新型ゴルフには1リッター3気筒エンジンと1.5リッター4気筒エンジンがあり、どちらにもマイルドハイブリッドシステムが組み込まれている。...