思いきりアメリカン
スタイリッシュなフォルムに最新の快適装備を満載し、競争力のある価格設定とされたシティー派SUV「キャデラックXT4」。プレミアムセグメントを席巻する、欧州ブランドのライバルに対する米国キャデラックならではの個性と魅力とは?
キャラクターちがいの3グレード構成
XT4は、グローバルで最量販のエントリーモデルと位置づけられているキャデラックだ。キャデラックは米ゼネラルモーターズ(GM)で屈指の国際商品(いちばん国際的なGM車は「シボレー・コルベット」だろう)だが、4種類のSUVと2種類のセダンという(来年発売予定のEVをのぞく)フルラインナップを展開できている市場は、地元の北米以外では中国と中東、韓国くらいしかない。ロシアではXT4を含むSUVを全機種展開するいっぽうで、セダンは1車種も売られない。英国やEUにいたっては、いま正規販売されるキャデラックはXT4しかない。XT4はまさにキャデラックの屋台骨だ。そして、こうした現状を見るに、世界的な潮流はやはりSUVなのだと痛感する。
米本国ではFFと4WDがあるXT4だが、日本仕様は4WDのみの3グレード構成となり、今回の試乗車となった「スポーツ」は順番としては真ん中の位置づけである。もっとも、その640万円という本体価格は最廉価の「プレミアム」より70万円高いが、最上級の「プラチナム」との価格差は30万円しかない。細かい装備内容を見ても、プラチナムがはっきり上級という印象はなく、横ならびのキャラクターちがいと捉えたほうが正確だ。
実際、先進運転支援システム(ADAS)の機能や20インチホイール、高精細メーター、ヘッドアップディスプレイ、前席マッサージ機能やベンチレーション機能、空気のイオン化&除菌機能付きエアコン……といった安価なプレミアムでは省かれる安全・安楽装備は、スポーツとプラチナム両方に備わる。電動ガラスサンルーフはプラチナムでしか手に入らないが、かわりにスポーツには「バリアブルリアルタイムダンピングサスペンション」という電子制御可変ダンパー(やフロントシートの電動調整サイドサポート)が専用装備として与えられる。価格は結果的にプラチナムが少しだけ高くとも、そこに明確な上下関係はない。...