新時代のスタンダード
アグレッシブな走りとスタイリングが自慢の、ヤマハのネイキッドスポーツモデル「MT-09」がフルモデルチェンジ。高い機動性に加え、上質なライドフィールも得た新型は、ヤマハ製スポーツバイクのスタンダードと呼べるマシンに仕上がっていた。
エンジンもフレームも刷新
ヤマハのネイキッドスポーツモデル、MT-09がフルモデルチェンジされた。エンジンは、ガソリンの爆発から燃焼トルクだけを効率よく引き出す設計思想「クロスプレーンコンセプト」や、並列3気筒という基本構造はそのままに、ストロークアップによって排気量を拡大。ピストンやコンロッド、カムシャフト、クランクシャフト、クランクケースなど、主要パーツも新設計となっている。フレームやスイングアームも一新されており、特に前者は、アルミの最低肉厚を3.5mmから1.7mmまでそぎ落とし、軽量化と剛性バランスの最適化を図りながら横方向への剛性を50%も引き上げたという。さらにはエンジンの搭載角度も変更と、先代との違いを挙げればきりがない。
試乗して真っ先に感じたのは、スポーツバイクとしての進化だ。初代MT-09は並列3気筒エンジン+等間隔爆発クランク特有のシルキーさを持ちながらも、ちょっと危なっかしいくらいに過激な出力特性が与えられていた。それはまさに、切れ味鋭い日本刀のようで、誰にでも気軽に扱えるようなものではなかった。2017年に発売された2代目では、その過激さはある程度抑え込まれていたが、基本的な切れ味のよさは依然として残っていた。
対して新型エンジンは、そこがしっかりとしつけられている。拍子抜け……というと語弊があるのだが、アクセル操作に対して乱暴なくらいの反応を予想して身構えていたところ、意外や自分のイメージやアクセル操作に対し、その通りに加速していくのだ。特に中低回転域での扱いやすさは格段に上がっている。...