優しさこそが宝
大人気の「レブル250」をそのまま大きくしたかのような、ホンダの新型バイク「レブル1100」。自動変速が可能なそのATバージョンは、乗り手やステージを選ぶことのない、懐の深い走りを味わわせてくれた。
あぁ ありがたい!
「ホンダ・レブル1100 Dual Clutch Transmission」は日本で、いや、世界で最も乗りやすいリッターバイクではないか……と言えるほど多くのモデルに試乗しているわけではありませんが、同車がビックリするほど乗り手に優しいことは間違いない。
まず、700mmという低いシート高がありがたい。メディアをにぎわしバイク好きの間で話題になりやすいのはフルカウルのスポーツモデルだけれど、一方で、国産・輸入車を問わずクルーザータイプの二輪がコンスタントに売れているのは、その足つきのよさからくる安心感ゆえだろう。レブルシリーズの末弟たる「レブル250」などは、デビュー翌年の2018年から、軽二輪部門の国内販売台数トップを3年連続で獲得している。身長165cm足短めの昭和体形(←ワタシです)にして、シートにまたがって両足がベッタリ接地するうれしさは、「つるしのジーンズだと丈が足りなくてェ」なんてシレッと言い放つスタイリッシュなあなたにはわかるまい。うらやましいゾ。
レブル250、「レブル500」に加え、新たにレブル1100が登場するにあたって設定されたDCTモデルも、リッター超えバイクへのハードルをグッと押し下げた。ライダーは、右グリップそばに設けられた「D」ボタンを押してスロットルをひねるだけ。するとホンダのリッタークルーザーは、パラレルツインの不等間隔なビートを刻みながらスルスルと走りだす。クラッチ操作は不要。DCT仕様のレブル1100は、AT大型二輪免許でも乗れるリッターバイクである。大排気量の2気筒が低い声を響かせる裏で、交互にアクティブなギアを切り替えているのだろう。静かにカタコン、カタコンいいながらDCTが自動でシフトアップしてくれる。ギア数は6枚だ。
いかにも「ホンダのバイクだなァ」と感心させられるのがライディングポジションで、もちろん上体を起こしたアップライトな姿勢だが、余裕をもって腕を伸ばしたところにグリップがあり、足を前に放り出すことなく、軽く膝を曲げてステップに載せられる。クルーザータイプに乗っていることを十分意識させながら、総じて自然で無理がない。レブル250/500からの排気量アップ組はもちろん、「たまにはアメリカン(死語!?)にでも乗ってみるか」とネイキッドやスポーツタイプから乗り換えた人でも、多少の違和感を個性と捉えこそすれ、不快に感じることはないだろう。...