喜びに妥協なし
ダカールラリーを18連覇するなど、オフロードを得意とするKTM。そのラインナップのなかから、ミドルクラスの「890アドベンチャー」とエントリーモデルの「250アドベンチャー」に試乗。オンロードとオフロードの両方で、その走りを確かめた。
スペック以上に軽く感じる
アドベンチャーモデルの人気が高まるなか、注目されるようになってきたのが排気量1000cc以下のミドルクラスだ。リッターオーバーのような余裕のパワーこそないものの、軽量な車体を生かして高いオフロード走破性を発揮。ストリートでも扱いやすい。
今回紹介するKTM 890アドベンチャーも、そんなミドルクラスにカテゴライズされるマシンだ。このクラスとしては軽量な車体に最高出力105PSを発生するエンジンを搭載し、よりオフロードに特化した「890アドベンチャーR」には、トラベル量を240mmに伸ばしたサスペンションとブロックパターンのタイヤが装備される。
890アドベンチャーの特徴は、スペックを見ればわかりやすい。ライバルの車両重量とエンジン性能を見てみると、ヤマハの「テネレ700」は205kg/72PS、「BMW F850GS」は236kg/95PS、「トライアンフ・タイガー800XRx」は200kg/95PS、クラスは違うが、「ホンダCRF1100Lアフリカツイン」は226kg/102PSだ。それに対して、890アドベンチャーは200kg/105PS。メーカーによって車両重量の計測方法に多少バラつきはあるものの、それを勘案しても、エンジンのパワーに対する890アドベンチャーの軽さは明らか。もちろん走りはスペックだけで決まるものではないが、KTMの気合がうかがえる部分である。
実際にまたがると、そうしたスペック以上に軽く感じられるのはマシンのバランスがいいからだろう。加えて“軽さ”はエンジンのフィーリングにも感じられる。パラレルツインというのは、総じて低回転域からトルクがあるものだが、このエンジンはビッグツインのように力強く車体を押し出すのではなく、軽やかにスピードに乗せていく。...