会心のヨンク
「日産ノート」に追加された4WDモデル「X FOUR」に試乗。自慢の「e-POWER」に最高出力68PSの後輪用モーターを組み合わせた最新パワートレインは、簡易的な四駆システムを用いた先代モデルとはまったく次元の異なる走りを味わわせてくれた。
日産の決意表明
ニュースソースとしてその名を耳にすることはたびたびなれど、肝心の内容が明らかになるごとに「もしかしてこの会社、もうクルマをつくっている場合などではないのでは……」と、失礼ながらそんなことを連想させられるまでに至ってしまっていた、ここ数年の日産自動車。
特に、ちまたでささやかれる“日本軽視”という雰囲気は、現実問題として身につまされた印象。ベーシックカーの日本代表として一時は強い存在感を放った「マーチ」は、新興国向けモデルがあてがわれた結果、人々の興味の対象から脆(もろ)くも消え去り、「キューブ」や「ジューク」といった日本のユーザーの心をつかんだかに見えたヒット作も、放置プレーを迫られていつしか消滅という憂き目に。
そんなわけで、個人的にも「このブランドから日本に向けた魅力的なニューモデルが生まれてくるのは、もはや期待薄か」との思いが避けられなくなったタイミングで現れたからこそ驚かされることになったのが、丸8年ぶりとなるフルモデルチェンジを経て登場した新型ノートだった。
世代交代のたびにボディーサイズが拡大されるのが半ば常識と思われていたなかにあって、このモデルは5ナンバーサイズをキープするにとどまらず、全長やホイールベースを短縮するという文字通りのダウンサイジングも敢行。
しかも、ライバルを少しばかり上回っていたディメンションに対し、「ちょっと大きいとの声が上がったことを踏まえての軌道修正でもあった」という従来型に対する反省の弁を聞けば、そこにはここしばらくの日産には感じられなかった日本のユーザーに対しての真摯(しんし)な思いが強く感じられたものでもある。
全モデルがe-POWERというパワーユニットの設定にも、やはりこれまでの日産車では考えられなかった、並々ならぬ決意を覚える。なぜなら、バリエーションすべてにe-POWERを搭載するとなれば、スターティングプライスの上昇は避けられないからだ。すなわちそれは、台数稼ぎのためにはどうしても欲しいはずの法人需要を諦めてまで、自身が理想とするラインナップを構築したいという決意表明にほかならないと理解できたのだ。
かくして、さまざまな部分でこれまでの日産車とは一線を画した思いが感じられる新型に対面し、いざ走りだしてみると、これが何ともビックリの好印象! 「あれれ? これは『ヤリス』や『フィット』も何するものぞの一台ではないか!」という手応えは、乗れば乗るほどに強まっていくことになったのである。...