あなたの知らないキャデラック
キャデラックの新作セダン「CT5」がいよいよ日本に導入された。世界的にSUVが伸長するなかで、アメリカを代表するプレミアムブランドが世に問うたセダンの姿とは? “いまどきのキャデラック”のキャラクターを体現した、ニューモデルの実力を試す。
セダンがあるだけありがたい
現在、キャデラックが擁するセダンのラインナップは、本国でさえEセグメントに該当するCT5と、Dセグメントに該当する「CT4」の2本立てとなっている。最近まで日本でも販売されていた「CT6」は、生産移管先の中国のみ販売が継続中だ。
かつてはキャデラックの象徴的存在だったフルサイズサルーンはアメリカでも姿を消し、ショーファードリブンを含めたその役割は、SUVの「エスカレード」が担っている。そしてエスカレードは中国では販売されていない。コンシューマー目線でのセダンの立ち位置が、地域によっていかに異なるかが伝わってくる。
ちなみに、日本では「ATS」の後継にあたるCT4の展開もなく、今買えるキャデラックのセダンは「CTS」の後継として今年上陸したこのCT5のみだ。そのぶん……というわけではないだろうが、SUVの側は全車種がきっちり網羅されている。
まぁセダンの選択肢があるだけオッさんにはありがたいわなと思いつつ、値札を見るとちょっと仰天する。日本で販売される2グレードのうちの安いほう、「プラチナム」の価格は560万円。ちなみにプラチナムはキャデラックの序列において「プレミアム」の上、レクサスで言うところの「バージョンL」みたいなものだから、装備的にはフルスペックの予防安全・運転支援システム(ADAS)やインフォテインメントシステム、前席電動本革シート、Boseの15スピーカーサラウンドシステムとあらかたのものが盛られていて、“後乗せ”するようなものはない。
試乗車の「スポーツ」はプラチナムと同等の装備に加えて、ドライブトレインが4WDになり、専用チューニングのサスペンションと19インチタイヤが組み合わせられる。そのほか、フロントシートのマッサージ機能や、リアスポイラー、ブラックアウトのグリルやガーニッシュ類なども与えられ、価格は620万円。コスパ的な話をするのも卑しいが、メルセデス・ベンツやBMWというよりは、「トヨタ・クラウン」のお客さんが揺さぶられそうなアフォーダブルぶりだ。...