未来図への第一歩
ホンダのコンパクトSUV「ヴェゼル」の新型がいよいよデビュー。ご覧の通りベストセラーモデルとしては極めて大胆なイメージチェンジを図っているが、中身は一体どれほど進化しているのだろうか。ハイブリッドの売れ筋グレードに乗ってみた。
激変したマーケット
新型ホンダ・ヴェゼルが注目を集めているのには理由がある。まず、コンパクトクロスオーバーSUVのジャンルでベストセラーを続けてきたモデルの2代目であるということ。初代がデビューした2013年とはマーケットが激変しており、ミニバンやコンパクトカーに代わってSUVが主流になっている。ライバルがひしめく中で、いかにアドバンテージを保っていくのかが関心の的だ。
そして、モデルチェンジとほぼ同時に重大な発表があったことで、ホンダの将来を占う存在という意味合いを帯びることになった。2021年4月3日に行われた三部敏宏新社長の就任会見で掲げられたのが、2050年までにカーボンニュートラルを達成するというロードマップである。具体的には、先進国全体での電気自動車(EV)と燃料電池車(FCV)の販売比率を2030年に40%、2035年に80%とし、2040年にはグローバルで100%を目指すというのだ。野心的な取り組みであり、“ホンダが内燃機関から撤退する!”と衝撃を与えた。
このタイミングで販売が始まったヴェゼルには、ホンダが描く未来図の中での位置づけが与えられているはずである。ヴェゼルの主力パワートレインは、ハイブリッドだ。ガソリンエンジン車も用意されているが、5月24日までに受注した約3万2000台の93%がハイブリッドモデルだという。実はガソリンモデルにも短時間乗ることができたのだが、あえて選ぶ理由があるとは感じなかった。
ハイブリッドシステムは前モデルとはガラリと変わっている。現行「フィット」と同じ「e:HEV」が搭載されているのだ。前モデルの「i-DCD」がワンモーター式だったのに対し、発電用と走行用の2つのモーターを使う。ホンダの次世代を担うパワーユニットと位置づけられており、開発陣からは「VTECに代わる今の時代の新しい核心技術」との言葉もあった。大きな期待をかけられていることが伝わってくる。...