ハイブリッドのサラブレッド
いまやポルシェの屋台骨を支える重要車種となったSUV「カイエン」。そのクーペSUV版のプラグインハイブリッドモデルという極めて“イマ風”な一台は、どんな走りを味わわせてくれるのか?
数年後にはポルシェの主役?
スターターのボタンではなくて、ステアリングホイールのドア側に設けられた、疑似スターターキーというべきスイッチをひねると、「ぴんぽーん」という電子音が響いてシステムがオンになる。
耳を済ませていると、かすかに耳鳴りのような音がして、もしかしてそれは筆者の空耳かもしれないのですけれど、たぶん冷却用のファンの音だとおぼしき機械音がかすかに聞こえてくる。
「ホワイト・エレファント」と表現したくなる巨体の両サイドに「e-hybrid」という小さなバッジが貼られている。筆記体のこの文字が、巨大なブレーキキャリパーとコーディネートされた蛍光色の黄緑色で発光しているように見えて視覚的印象を残す。数年後にはe-hybridがポルシェのエコ戦略の一翼どころか、主翼となっているやも知れぬ。そう思うと、e-hybridは内燃機関好きにとっては福音であるにちがいない。
本国では2020年秋、「カイエンEハイブリッド」の改良版として、クーペともどもバッテリーの容量を14.1kWhから17.9kWhに上げ、EV走行の可能な距離を従来比30%増の48kmとしている。これによりドイツでは、4リッターV8ツインターボの「ターボS Eハイブリッド」も含め、すべてのカイエンEハイブリッドが「Eナンバー」と、カンパニーカータックス(社用車税)の減税の対象になっている。Eの文字がナンバープレートの末尾につくと、公共駐車場が無料で使えたりするというから、今回の改良のメリットはかの地においては誠に大きいというべきだろう。...