求む、酷い道
「メルセデス・ベンツGLS」は単なる高級車にあらず! いや、第一級のラグジュアリーSUVであるのは当然として、凝りに凝ったアイテムによる高い悪路走破性も隠し持っているのだ。ラグジュアリーなオフローダーの仕上がりやいかに!?
これがスタンダードの国もある
巨大なスリーポインテッドスターを、これまた大きなグリルにはめ込んだメルセデス・ベンツ最大のSUVがGLSである。先代モデルの途中から呼び方が変わり、「S」が付いた「GLクラス」改めGLSは、全長ほぼ5.2m、全幅2mあまりの巨大なボディーを持つ3列シート/7人乗りのフラッグシップモデルだ。もちろん日本の道ではいささか持て余すサイズで、まるでトイプードルの中に交じったスタンダードプードルのように目立つ。昔、これが本当のプードルです、と言われた時には驚いたものだが、飼い主さんにとっては当たり前のように、このサイズが当然の国も多い。新型「キャデラック・エスカレード」はもっと大きいのだ。
現行型はGLクラス時代から数えて3代目、昨2020年春に国内導入された新型である。日本仕様は3リッター直6ディーゼルターボを積む「GLS400d 4MATIC」(最高出力330PS/最大トルク700N・m)と、ガソリン4リッターV8ツインターボ搭載のこの「GLS580 4MATICスポーツ」、そして昨年末に導入された最強力版の「メルセデスAMG GLS63 4MATIC+」(同612PS/同850N・m)というラインナップである。
運転席によじ登れば、すっかり見慣れた最新メルセデスの眺めが待っている。12.3インチのデジタルディスプレイが2枚棟続きとなったインストゥルメントパネルは他のモデルと共通、対話型インフォテインメントシステムの「MBUX」も当然装備されるが、ステアリングホイールは最新の「Eクラス」や「Sクラス」のようにつるりとしたタッチスイッチが並ぶ仕様ではない。もはやコマンドダイヤルが見当たらないセンターコンソールにグラブハンドルとローレンジスイッチが備わるのがSUVらしい点だ。ちなみにローレンジは「オフロードエンジニアリングパッケージ」というオプションに含まれており、それを選ぶと他に「オフロード+」モードが加わるうえに前後駆動力配分がよりオフロード向けの設定(標準の前後50:50〜0:100が100:0にまで広がる)になるという。車重およそ2.7tもの巨体をローレンジが必要とされる場面で走らせることは、あまり考えたくない。...