テクノロジーの勝利
BMWが初めて手がけた、コンパクトな4ドアクーペ「2シリーズ グランクーペ」。ハッチバック「1シリーズ」と同じ前輪駆動プラットフォームで開発された新型車に、ドライビングプレジャーはあるのか?
コックピットに“ビーエム感”
BMW 218iグランクーペMスポーツを前にして思うのは、「果たしてFF、3気筒のビーエムに乗る意味はあるのか?」ということだ。
クルマはかっこいい。正直、好みだけでいえば「3シリーズ」とか「5シリーズ」の“奇数車名トラディショナル系BMW”のほうが、“偶数のモード系BMW”より好きだ。でも、この2シリーズのグランクーペは、こんな自分でもこのクルマに乗ったらステキな人に見えるんじゃないかと錯覚させてくれる。全長4.5mちょいのコンパクトといっていいサイズでありながら伸びやかな造形だと感じるのは、ルーフ後端が優雅な弧を描いているからだ。それでいて、後席の居住性が確保されている点にも好感を持った。
でももうひとりの自分が、「どんなに格好よくても3パツだよ、前カキだよ」と、現役時代の野村克也さんのようにささやきかけてくる。そのささやきを王 貞治さんのようにガン無視してバッターボックス、じゃなくて運転席におさまる。センターコンソールに10.25インチの液晶パネルが鎮座するインテリアのコンセプトは最新のBMWのもの。
BMWのコックピットにおさまって毎度毎度感心するのは、もちろんつくり込みや装飾に違いはあるものの、基本的な考え方は1シリーズから「8シリーズ」まで共通であることだ。
運転に専念するために、必要最低限の計器類やスイッチ類が理路整然と配置されている。だからスッキリとした気持ちで運転に向き合うことができるし、それがこのブランドでしか味わえないスポーティーなプレミアム感を生む。
スターターボタンをプッシュして、1.5リッターの直列3気筒エンジンを始動する。「3パツはやっぱり、シャープでパンチ力のある4気筒やシルキーシックスの滑らかさとは違うんじゃないの?」と、ノムさんがささやいてくる。...