イタリアの本気
ドゥカティのスポーティーなアドベンチャーツアラー「ムルティストラーダ」シリーズに、最新の「ムルティストラーダV4」が登場。車名の通り、伝統のLツインではなく新型V4エンジンを搭載したこのモデルからは、革新に臨むドゥカティの本気がうかがえた。
走る前から感じられる車体の“軽さ”
V型4気筒エンジンの圧倒的な軽さと扱いやすさ。それによって、2010年以来ムルティストラーダファミリーが掲げてきた「4 Bikes in 1」コンセプトがさらに進化した。それがムルティストラーダV4の試乗を終えての感想である。
ドゥカティが伝統的に採用してきたL型2気筒エンジンよりも、新しいV型4気筒エンジンのほうが軽くて扱いやすい。それは昨2020年11月の発表時にもアピールされていたことだ。しかしLツインエンジンにはスリムさというウリがあったし、2018年から「パニガーレV4」や「ストリートファイターV4」といったハイパフォーマンスモデルに搭載されているV型4気筒エンジンは、文字通りレース直系のユニットである。ドゥカティのV4というとどうしても過激なイメージが先行し、既成概念で固まった筆者の頭では、試乗するまで上述のドゥカティからのインフォメーションが理解できなかった。
試乗会場に並ぶムルティストラーダV4は、紛れもなくムルティストラーダファミリーに属するイメージを保ちながら、エンジンの大きさ、その搭載位置、スイングアームの長さ、シートの高さなどにより、ひと目で前モデルとは違うと判断できるスタイリングを備えていた。そして、いざ走りだそうと車体を起こしただけで、その“軽さ”を実感した。装備重量は243kgと決して軽量ではないはずだが、その数字よりずっと軽く感じる。これこそ、コンパクトな新型エンジン「V4グランツーリスモ」によるところが大きいのだろう。...