好事家だけのものじゃない
ルノーのコンパクトSUV「キャプチャー」がフルモデルチェンジ。ヨーロッパでSUV販売台数トップの座を獲得したその人気の秘密を確かめるべく、充実装備が自慢の上級グレード「インテンス テックパック」を郊外に連れ出した。
見て楽しめるデザイン
ここ1〜2年ほど、フランス車の波がきている。「プジョー508」の完成度の高さはドイツ御三家と遜色がなかったし、同じくプジョーの「208」や「2008」は見ても乗っても楽しいコンパクトカーだった。プジョー208のガチンコのライバルとなる「ルノー・ルーテシア」で京都まで日帰りで往復したことがあるけれど、あれは小さなグランドツアラーで、身長が190cmぐらいある人を乗せるのでなければ、このサイズで十分ではないかとしみじみ感じた。
で、なんで最近のフランス車はこんなに出来がいいのかと感じていたところに、“2020年にヨーロッパで一番売れたSUV”という派手な触れ込みとともに、ルノー・キャプチャーが日本にやってきた。その完成度の高さに感心したルーテシアと基本骨格を共用するわけだから、おのずと期待は高まる。
見た瞬間、「うまいな」と感じる。なにがうまいのかといえば、SUVのヘビーデューティーな雰囲気と、しゃれた感じが両立しているからだ。彫りの深いラインでパキッとした強さを表現しつつ、やわらかい面の造形でしなやかさも感じさせる。もうひとつのポイントはルーフだ。ボディーカラーとツートンになっていることと、きれいな弧を描いていることで、デザイン家電ならぬデザインSUVになっている。
ヘッドランプまわりとリアのコンビネーションランプに「Cシェイプ」と呼ぶ形状のLEDを採用したことで、ボディーがワイドに見えると同時にモダンなプロダクトという印象も与える。保守的なSUVのスタイルとはひと味違う新鮮味を出しつつ、ぶっ飛びすぎてもいないという絶妙なさじ加減が、「うまい」と感じる理由だ。
インテリアも同様で、派手な色使いや斬新な造形はないものの、それでも上質な素材感を出しつつメーターやスイッチをシンプルに配置することで、スタイリッシュな空間に仕上がっている。
「万人受けするデザイン」というと、退屈なものを想像する。けれどもルノー・キャプチャーは、多くの人が好感を持つことと、見て楽しめる意匠にチャレンジすることを、上手に両立している。もう一度、「うまい」と言わせてください。...